今年の9月は台風の発生数が極端に少なく、きのう28日(木)までに1個(平年5個)。あす30日までに発生しない場合は、9月として統計開始以来、最も少なくなる見込みです。一方、南の海上には、新たに熱帯低気圧が発生しました。今後の動向に注意が必要です。

●今年の9月 台風発生数1個 統計史上最も少ない記録更新へ

今年の9月は極端に台風の発生数が少なく、9月5日に発生した台風13号以来、新たな台風は発生していません。

台風は平年ですと1年間に約25個発生、9月下旬までに約18個発生しますが、今年はまだ13個。また、9月平年の発生数は5個ですが、これまでに1個と、いかに今年は少ないかが分かります。

1951年の統計開始以来、9月の台風発生数が一番少ないのは2個(1951年、1973年、1983年)。もし、あす30日までに発生しなければ、統計開始以来、9月として最も台風の発生が少ない記録更新ということになります。

●南の海上で熱帯低気圧が発生

きょう29日(金)午前3時、南の海上で台風のたまごとも言える「熱帯低気圧」が発生しました。

「熱帯低気圧」がさらに発達し、最大風速が17.2m/s以上になると「台風」と呼ばれます。現時点では、まだ台風になるかはっきりしませんが、沖縄や奄美付近から本州の南に延びる前線の活動を活発化させる可能性があるため、今後の動向に注意が必要です。

●海面水温高い

9月は、台風13号が8日に消滅して以来、きょう29日までに3週間も台風が発生していません。そのため、海面水温は日本の南からフィリピンの東海上にかけて30℃以上と高く、日本付近では平年より2℃くらい高くなっています。

一般的に台風は海面水温が26~27℃の海域で発生するといわれていますが、大気の状態も重要な要因であり、海面水温が高いだけでは台風の発生・発達につながりません。ただ、新たに熱帯低気圧や台風が発生した場合、発達を助長するような高い海面水温が広がっているため、今後も注視が必要です。

ちなみに、2020年は9月までの台風発生数は、今年と同じ13個でしたが、10月~12月に10個の台風が発生(10月に6個、11月に3個、12月に1個)、年間発生数は23個と帳尻を合わせるかのように多数発生しました。

●10月も台風に注意

気象庁は、特に大きな災害を伴った台風には洞爺丸台風や伊勢湾台風など名前をつけています。これまでに名前がついた台風は10個。内9個が9月に襲来していますが、2019年台風19号(令和元年東日本台風)は10月に襲来し、東海や関東~東北にかけて甚大な被害をもたらしました。

10月もまだ台風シーズン。10月の平年の発生数は3.4個、日本への接近数は1.7個となっています。日頃からハザードマップの確認や、側溝の掃除など、備えは万全にしておきましょう。

情報提供元: tenki.jp日直予報士