きょう30日(金)から、あす1日(土)にかけては、梅雨前線が九州から本州付近を南下します。これは災害級の大雨が予想される、とても危険な天気図パターンです。強い雨のピークが夜間となる所もあり、明るいうちに早めの避難を心がけてください。

●梅雨前線が活発化 あすにかけて南下し大雨をもたらす

きょう30日(金)は、日本海に延びる梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。

午前7時半現在、九州から北陸、東海にかけての所々に発達した雨雲がかかり、九州ではすでに降り続く大雨により土砂災害の危険度が高くなっているエリアがあります。

梅雨前線は、あす1日(土)にかけて九州から本州付近をゆっくり南下するでしょう。梅雨の最盛期~末期によく見られる気圧配置で、災害級の大雨が予想されるような、とても危険なパターンです。

●夜間に強雨ピークの所も 早めの避難を

九州はすでに断続的に強い雨が降っており、「非常に激しい雨」を観測した所もありますが、活発な雨雲がかかりやすい状態が続きます。きょう夕方以降は「非常に激しい雨」の降るエリアがさらに広がりそうです。最も警戒が必要な時間は夕方から、あす朝にかけてで、空が暗い時間帯にあたります。寝ている間に周囲の状況が一変して避難が困難になる恐れがあります。自治体から発表される情報や気象情報をこまめに確認し、明るいうちに早めの避難を心がけてください。

中国地方はいったん雨の弱まっている所が多いですが、油断できません。今夜からあす朝にかけて再び雨が強まる予想です。こちらも夜間に激しい雨が降り、川の水かさが急に増えることが考えられます。

四国はあす未明から昼前にかけて、近畿はきょう昼前から、あす昼過ぎにかけて雨のピークとなりそうです。北陸はあす昼前にかけて激しい雨が予想され、局地的には非常に激しく降るでしょう。東海はあす夕方にかけて、東北はあす明け方にかけて雷を伴った激しい雨に注意が必要です。

なお、梅雨前線の動きによっては、雨の強まる時間や場所が変わる可能性があります。最新の情報をこまめに確認してください。

●大雨の中 車を運転して避難する場合 注意点は

大雨の中、避難所へ車を運転して移動する場合でも、油断はできません。注意点は2つあります。

1つめは、雨の降り方が強い時には、いつも以上に慎重な運転をすることです。1時間に20ミリ以上の雨が降ると、ワイパーを速くしても見づらくなります。さらに、1時間に30ミリ以上の雨が降る場合は、高速で走っている時にブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こる恐れがありますので、注意が必要です。1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」は、視界が悪くなるほどで、車の運転は危険です。

2つめは、避難場所へ向かう道を選ぶことです。降り続いた雨によって川が増水していたり、車道が冠水していたりすることもあります。川からなるべく離れた道を選んでください。車が水に浸かると、ドアが開かなくなって車内に閉じ込められたり、車のエンジンが停止したりする恐れがあります。さらに、水深がもっと深くなったり、流れが速くなったりすると、車ごと流される場合もあります。大雨で冠水した道路は、川との境目が分かりにくいので、無理をしないで、車で避難するのをやめるのも、選択肢の一つです。

情報提供元: tenki.jp日直予報士