30日~7月1日 九州や日本海側で非常に激しい雨 更なる大雨で「災害級」の恐れ
あす30日~7月1日にかけて、九州から東北の広い範囲で大雨に。特に九州や日本海側では、雷を伴った非常に激しい雨が降り、たった2日間で7月ひと月分にあたる危険な大雨予想も。災害リスクが高まるため、危険な場所には近づかず、安全第一で行動をしてください。
●きょう29日 局地的に雨雲発達 激しい雨や雷雨など天気の急変に注意
きょう29日は、南から流れ込む暖かく湿った空気や上空の寒気の影響で、広い範囲で大気の状態が不安定となっています。
北海道の美深町小車では、1時間に55.0ミリの非常に激しい雨が降り、観測史上1位の値を更新しました。(午後1時28分まで)
岩手県軽米町では、1時間に53.0ミリの滝のような雨を観測したほか(午後0時8分まで)、広島県庄原市高野で1時間に42.5ミリの激しい雨が降りました。(午後3時32分まで) いずれも6月としては記録的な大雨となりました。
地盤が緩んでいる所もありますので、このあとの少しの雨でも土砂災害などにご注意ください。
今夜にかけて、全国のあちらこちらで雨雲が急発達する恐れがあります。
雷が鳴る音が聞こえたり、急に冷たい風が吹いたら、発達した積乱雲が近づいている証拠です。突然の激しい雨や雷、突風、ひょうなど天気の急変に注意が必要です。
●活発な梅雨前線が南下 大雨に警戒
きょう29日は「局地的な大雨」でしたが、あす30日からあさって7月1日にかけては、「広い範囲」で「警報級大雨」となる恐れがあります。
あす30日からあさって7月1日にかけて、前線を伴った低気圧が日本海から北日本へ進む見込みです。低気圧が東へ進むにつれて、梅雨前線は本州付近を南下するでしょう。前線に向かって、南からかなり暖かく湿った空気が流れ込んで、雨雲が発達しやすくなる見込みです。
九州から東北にかけて、広範囲で「警報級大雨」となる恐れがあり、早めの大雨対策が必要です。特に、九州や本州の日本海側で雨量が増える恐れがあります。
●あす30日~7月1日 広い範囲で「警報級大雨」 災害リスク高まる恐れ
あす30日は、九州や中国地方は、朝から断続的に雨で、雷を伴って激しく降ることもある見込みです。
特に、九州北部ではあす30日夕方から、「非常に激しい雨」が降る恐れがあります。一気に道路が川のようになる危険な降り方になることもありますので、外出の際は十分な注意が必要です。
四国や近畿も、朝から局地的な激しい雨や落雷、突風に注意してください。北陸や東海は未明から雨が激しく降る所があり、大雨となる所があるでしょう。関東は、南部は一時ザっと雨が強まり、北部は断続的に雨で雨量が多くなる所がありそうです。
東北は昼前後から雨で、局地的には激しい雨になりそうです。北海道も午後は次第に雨の範囲が広がり、雷を伴って雨脚が強まる所があるでしょう。
きのう28日は、富山県と山形県で猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。また、きょう29日も九州から北海道にかけて、局地的に激しい雨や滝のような雨が降っています。
これまでに大雨が降った所では、少しの雨でも土砂災害に警戒が必要です。山の斜面や川の付近など、むやみに近づかないでください。
●予想降水量 たった2日間で7月1か月分に匹敵も
たった2日間で、平年の7月1か月分の雨量に匹敵する雨が、一気に降ってしまう所もあるほどの危険な大雨が予想されています。
30日18時までの24時間に予想される雨量(いずれも多い所)
九州北部地方 200ミリ
北陸地方、近畿地方 180ミリ
九州南部、東海地方 150ミリ
中国地方、関東甲信地方 120ミリ
東北地方 100ミリ
7月1日18時までの24時間に予想される雨量(いずれも多い所)
九州北部地方、九州南部、近畿地方 100から200ミリ
中国地方、北陸地方、東海地方、関東甲信地方 100から150ミリ
2日以降も九州や日本海側を中心に雨が降り続き、雨量はさらに増える見込みです。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫などに警戒が必要です。山や川の付近など、危険な場所には近づかず、安全第一でお過ごしください。
また、発達した積乱雲の下では、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、頑丈な建物に移動するなど、安全確保に努めてください。
●非常に激しい雨って どんな雨?
非常に激しい雨は、1時間雨量が50ミリ以上~80ミリ未満の雨を表しています。これは、滝のように降る雨で、ゴーゴーと降り続くイメージです。また、傘は全く役にたたないレベルで、木造住宅の屋内では、寝ている人の半数くらいが雨に気づくほどです。外では水しぶきで、あたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるため、車の運転は危険です。
なお、1時間に50ミリの雨というのは、雨水が別の場所に流れず、そのまま、たまる状態だと、降った雨が50ミリの高さになるくらいです。1時間に50ミリの雨が、1平方メートルに降ると、50リットルの量になります。例えば、傘を開いた面積がおおむね1平方メートルなので、1時間、傘をさしていると、牛乳パック50本分もの雨が、傘にあたることになるのです。
ただ、実際は、まわりの雨水が集まると、その地点に降った雨の量よりも多く、水がたまることもあります。非常に激しい雨が降ると予想される所では、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫に、十分気を付けてください。