北陸 1か月予報 高温続く 雪崩や融雪による土砂災害に注意 桜の開花は早まる傾向
北陸地方は、このあとも気温は高めで経過するでしょう。積雪の多い地域では雪崩や融雪による土砂災害に十分注意して下さい。一方、桜の開花は今春も早まる傾向です。
●最新の1か月予報 気温は高め 高温に関する早期天候情報も
3/9、新潟地方気象台より、北陸西部の福井・石川・富山と北陸東部の新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう1か月の天候の見通し」が発表されました。
そのポイントは、「暖かい空気に覆われやすいため、向こう1か月の気温は高く、特に期間の前半は、気温がかなり高い」ということです。
もう一つは、「低気圧や前線の影響を受けにくいため、向こう1か月の降水量は平年並か少なく、日照時間は平年並か多い」ということです。
なお、併せて同気象台からは、「高温に関する早期天候情報」が発表されています。北陸地方では、3月18日頃からかなりの高温が予想され、積雪の多い地域では、落雪やなだれ、急な雪解けに注意する他、農作物の管理にも注意を呼び掛けています。
●桜の開花 10年当たりで1日以上早まっている 記録的な暖かさで今春も早まる傾向
図は、福井(赤)・金沢(茶)・富山(紫)・新潟(緑)の桜(ソメイヨシノ)の開花日を、1953年の統計開始から昨年2022年までの約70年分プロットしたものです。
近年は、4地点全てで開花は早まり、10年当たりでは1日以上早まっています。特に福井・石川・富山など北陸西部では、3月中の開花が増えています。2021年は北陸4地点全てで1953年からの統計史上最も早い開花となり、最も平年日が遅い新潟でも3/29の開花となりました。
今春は、この先も気温の高い傾向が続く予想で、桜の開花は早まりそうです。
●12日(日)は北陸西部から南風強まる フェーンと乾燥で花粉の大量飛散 天気の回復する15日(水)も万全の対策を
北陸地方のスギ花粉の飛散は、このあと次第に最盛期となるでしょう。一般に花粉が飛びやすい条件は、「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」「雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いた後」等とされています。一方、花粉症の症状の現れ方は、場所や時間帯、着ている服装やその日の体調によっても異なることがありそうです。
12日(日)は、低気圧が発達しながら日本海を進む見込みです。南よりの風が北陸西部の福井嶺南から次第にやや強まるでしょう。その他も川沿いの地域を中心に次第にやや強まりそうです。日中いっぱい天気の崩れはない見込みですが、風の流れは、基本的にスギ林の多い山から沿岸部への流れとなるでしょう。山越えの南よりの気流が風下で昇温するフェーン現象となり、平野部では、気温が上昇、湿度は下がり、局地的には11日(土)以上にスギ花粉が飛散しやすい状況になる所もありそうです。
13日(月)~14日(火)は、前線が通過して一時的に冬型の気圧配置となり、寒の戻りとなる見込みです。標高の高い所を中心に降雪となり、花粉の飛散数は少ない傾向ですが、15日(水)には再び多くなることが予想されます。
花粉症の症状を緩和させるための最低限の対策として
外出時には、「ゴーグルタイプ(防御カバー付き)のメガネを付ける」「マスクを着用する」「上着は花粉が付着しにくいツルツルした素材のものを選ぶ」「つばの広い帽子をかぶる」等を行いましょう。
また、帰宅時には、
「からだに付いた花粉を室内に持ち込まないよう、洋服や髪の毛に付いた花粉をよく払い落とす」「うがいや洗顔で喉に付いた花粉を落とす」こと等も大切です。
●インフルエンザの報告数 北陸西部の福井・石川・富山を中心に高い水準続く
厚生労働省によりますと、第9週(令和5年2月27日〜3月5日)のインフルエンザ定点当たり報告数は、全国で「10.17」、この他、福井で「23.46」、石川で「33.77」、富山で「26.25」、新潟で「9.80」となっています。ピークアウトの傾向ですが、北陸地方は全国平均と比較するとかなり高く、北陸西部の福井・石川・富山は依然高い水準となっています。
次の点に着目しながら、引き続き体調管理にご注意ください。
①花粉症の時期でもあり、人の多い所を中心に引き続きマスクの着用を検討しましょう。
②外から帰ったら、必ず手洗いやうがいをしましょう。インフルエンザに限らず、花粉症対策や一般的な感染症予防のためにも、おすすめです。
③室内では、加湿器などを使って、適度な湿度(50~60%)を保ちましょう。適度な湿度は、寒さを感じにくくすることにもつながり、暖房の設定温度を下げる節電効果にもつながります。
④冬の疲れが一番出やすい時期となっています。栄養バランスの取れた食事と、十分な睡眠をとるように心がけましょう。このことが、結果的に体の抵抗力を高めることにもつながります。
●3月の気象イベント まもなく最高気温が25度以上の夏日も
記録的な高温傾向が続き、既に多くの観測地点で最高気温20度以上を観測しています。早い年では3月の終り頃になると、最高気温が25度以上の夏日となる日が現れてきます。
春は、「光の春」「音の春」「気温の春」と段階を経て徐々に進んでいくと言われています。このあと、3月21日の春分の日頃を境に、昼間の時間が徐々に長くなり、季節は一層進むでしょう。