3日は猛吹雪おさまる 除雪作業の事故に要注意 雪国から知る 種類豊富な除雪グッズ
あす3日、猛吹雪がおさまり、雪の多い地域では、除雪作業に取り組まれる方が多いと思います。除雪作業中の事故には十分ご注意ください。雪国では、除雪グッズが欠かせませんが、どのようなものがあるのでしょうか。北海道からご提供いただいた写真でご紹介します。
●日本海側では平年を上回る積雪も
きょう2日、正午までの12時間降雪量の最大値は、札幌市南区小金湯で35センチ(午前3時)、新潟県妙高市の関山で32センチ(午前9時)、北海道女満別空港で29センチ(午前9時)など、短時間で一気に積雪が急増した所もありました。
正午の積雪は、青森県八甲田山系の酸ケ湯で365センチ(平年比119%)、山形県大蔵村肘折で309センチ(平年比123%)、新潟県魚沼市西名で255センチ(平年比134%)、鳥取県大山で175センチ(平年比139%)など、豪雪地帯でも平年値を上回る積雪量となっています。
あす3日は、北日本の雪も落ち着き、日が差す所もある見込みです。これから、寒暖差が大きくなるため、多雪地帯では、なだれや落雪、融雪洪水などに注意してください。
●除雪グッズ 時期や雪質による使い分けも
重労働となる除雪作業ですが、少しでも作業がしやすいように、雪国では除雪グッズの種類が豊富です。
雪の降り始め、雪深いころ、シーズン終わり(春先)など、時期によって使い分けをすることもあります。また、地域によって雪質(水分が多めの雪、サラサラの雪など)が異なるため、店舗での除雪グッズの取り扱い数も異なります。
画像は札幌市北区在住の方からご提供いただきました。
北海道札幌市の場合を例にとって、少しご紹介します。 除雪グッズというとスコップ、ダンプ、除雪機など目にしたこと、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
●雪国で豊富な除雪グッズいろいろ
①写真の右から1番目、赤色のダンプは「ママさんダンプ」という呼び名があります。大量に積もった雪をすくいあげて、雪を積み上げている場所まで運びます。雪質は関係なく、多くの雪をまとめて持っていく時に重宝します。
②写真の右から2番目、黒色で穴がたくさんあいているスコップは「パンチャー」という名前で、鉄製です。穴があいているため、丈夫な鉄製でありながらも軽いのが特徴です。除雪車が置いていった雪や固くしまった雪をすくいあげるときに使うと便利です。屋根に積もった雪にも対応できます。このスコップで雪を割ることもあります。
③写真の右から3番目、シルバーのスコップは材質がアルミです。写真ではわかりづらいですが、スコップの平らな部分がブツブツした形状になっています。アルミ製のため軽く、雪がスコップに付着しにくい仕様となっているため、使いやすいという特徴があります。雪をブロック状に砕いて使うことがあります。こちらも屋根に積もった雪に対応できます。
④写真の右から4番目、水色のスコップは「プラスコップ」と呼ばれ、それほど強度がありません。軽い雪が降った時、さらっと降った雪をよせて、通り道を作るような時に使います。
⑤写真の右から5番目、赤色のスコップは取っ手が少し湾曲しています。これは腰を曲げなくても雪を押せるように工夫されています。写真ではわかりづらいですが、スコップの先にはギザギザとしたノコギリのようなものがついていて、凍り気味の固めの雪でも対応できます。
⑥写真の右から6番目、青色のスコップは、排土板のような形になっています。雪面に沿って、手前から押していきます。雪をすくいあげるのはなくて、押してよせる感じで、軽い雪に適しています。
⑦写真の右から7番目、黒色のスコップは、通常の鉄製スコップのプラスチック版です。軽い雪に対応できます。昔はスコップというと、鉄製のものがほとんどでしたが、最近では軽さ重視のスコップが増えてきました。こちらも雪をすくいあげる役割があります。
⑧写真の右から8番目、緑色のほうきは、雪の降る日に屋外から帰ってくると、よく、土間や風除室(北国では当たり前)などに雪が一緒に入りこんでくるため、それを払うように使います。玄関の中まで雪が入ってこないようにします。先がプラスチック製になっているため、丈夫で濡れてもほうき部分が弱りません。
●1シーズンで全種類の除雪グッズを使用することも
⑨オレンジ色のブルドーザーのようなものは、「ミニホイルローダー」という除雪機です。これで雪を集めて雪山のように積み上げます。ちなみにこのミニホイルローダーは夏タイヤです。そのためタイヤにはチェーンを巻きます。
⑩写真左側に写っている黄色の除雪機は、「手押し除雪機(ロータリー除雪機)」です。⑨のミニホイルローダーで、ある程度除雪した後に使うことが多くなります。
なお、1シーズンで全種類の除雪グッズを使うこともあります。
除雪は大変な重労働で、作業に夢中になってしまいがちです。必ず2人以上で、声を掛け合いながら、気をつけて行ってください。
また、除雪機の使用方法を誤って、体が巻き込まれるなどの事故も後を絶ちません。除雪機を使用する際は、使い方を事前に確認し、必ず正しい方法で使用して、事故を未然に防ぎましょう。
●雪下ろしの注意点
あす3日、雪国でもいったん雪が落ち着き、日が差す所もあるでしょう。安全に雪下ろしをするために以下の点にご注意ください。
(1)雪下ろしをする前には、雪が緩んでいないかどうか、必ず確認しましょう。新雪や、晴れた暖かい日の午後は、特に屋根の雪が緩んでしまいます。また、雪と一緒に、つららが落ちてくることもあります。
(2)はしごを使って屋根に上る場合は、はしごが動かないよう、ロープなどで、しっかり固定しましょう。はしごから屋根へ移動する時は、転落しないよう、一段と注意が必要です。
(3)雪下ろしをする際は、建物の周りに雪を残しましょう。万が一、屋根から落下した場合でも、雪がクッション代わりになってくれます。面倒でも、必ず命綱とヘルメットを装着し、滑りにくい靴を着用しましょう。携帯電話も忘れずに持って、作業してください。