道内では、札幌でも11月16日に初雪が観測され、気象官署8か所すべてで初雪が観測されました。今シーズンの初雪は全道的に平年より遅い観測となりましたが、初雪が遅かったシーズンの雪の量は、どうなるのでしょうか? 札幌を例にとって解説します。

●初雪が遅かったシーズンの雪まとめ

今年2022年の札幌の初雪は11月16日で、平年より15日も遅い観測となりました。
初雪が遅いシーズンの雪は、多くなるのか少なくなるのか、気になるところだと思います。札幌を例にあげ、2000年以降で初雪が11月中旬となったシーズンの雪の量と、積雪の深さを調べてみました。

2021-2022(初雪11月19日) 476cm/最深積雪133cm ※8シーズンぶりに100cm超え
2018-2019(初雪11月20日) 335cm/最深積雪72cm
2012-2013(初雪11月18日) 628cm/最深積雪137cm ※降雪量628cmは史上5番目の多さ
2011-2012(初雪11月14日) 399cm/最深積雪76cm
2006-2007(初雪11月12日) 543cm/最深積雪78cm
札幌の平年:(初雪11月01日) 479cm/最深積雪97cm

このうち、札幌の2021-2022の冬は、シーズンを通しての降雪量はほぼ平年並みでしたが、度重なる大雪に見舞われ、8シーズンぶりに100cmを超える133cmと、最深積雪が記録的に多くなりました。
道路や路線の除雪・排雪が間に合わなかったり、JRが数日間に渡って運休となったり、ごみ収集車による家庭ごみの回収を取りやめたりと、市民生活に大打撃となりました。

●「初雪が遅い=雪が少ない」ではない

上記のデータからもわかるように、初雪が遅い冬の雪の量は、少ない時もあれば多い時もあり、初雪が遅いからといってそのシーズンの雪が少なくなるわけではありません。

初雪が早いか遅いかは、10月から11月にかけての気温や上空の寒気が大きく影響しますが、その冬の雪が多いか少ないかは、12月から翌3月頃にかけての寒気の入り方や低気圧の影響の仕方に大きく左右されるため、初雪の早い・遅いと、シーズンを通しての雪の量は、あまり関係がないようです。

実際に、雪の多くなった2012-2013の冬は、12月に低気圧の影響で大雪となり、1月以降は冬型が強まって低温が続いたため、雪が解けにくく、少しの雪でも積雪が増えやすくなり、結果として大雪となりました。
雪が少なかった2018-2019の冬は、本州付近が高気圧の張り出しの中に入りやすく、北海道に発達した低気圧が近づきにくかったために、雪が少なくなりました。

●今シーズン(12月から2月)の雪は?

では、この冬はどうなるのでしょうか。
予想される北海道の今冬の天候は、気温・降水量・日本海側の降雪量全てほぼ平年並みとなっていますが、北海道付近は低気圧の影響を受けやすい時期があるとみられます。そのため、日本海側やオホーツク海側を中心に昨シーズンの札幌のような局地的な大雪となる可能性があります。

初雪が遅かったからといって油断せず、本格的な冬が来る前に準備を済ませ、大雪や吹雪が予想された場合は、最新の気象情報や交通状況などに十分注意するようにしてください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士