北陸 土日は新潟中心にお出かけ日和 週末トラベルへの誘い 週明けは台風動向に注意
週末の土曜と日曜は北の地域ほどお天気に恵まれ、中秋の名月も新潟の下越を中心に見られそうです。来週の後半は、熱帯擾乱の影響を受ける可能性があります。今週末から来週始めにかけての晴れを有効にお使い下さい。
●週末の北陸地方は新潟を中心に概ね晴れる 福井から富山は平野部を中心に日差しが届く 山間部は曇りベースで一時雨や雷雨に注意
この週末の北陸地方は北から高気圧に覆われる見込みです。北陸地方では日中は新潟など北の地域ほど晴れやすいでしょう。福井・石川・富山は、雲は広がりやすいですが、平野部を中心に日差しも届きそうです。ただ、土曜日は山間部で午後を中心に雨や雷雨の可能性もあり天気の急変には注意して下さい。最高気温は平野部では30度前後の予想ですが、日中の風は全般に北よりで沿岸部を中心にやや強く、身体が暑さに一番慣れているこの時期としては、実際の数字より過ごしやすく感じられそうです。
冒頭の写真はあの細田守監督作、映画『おおかみこどもの雨と雪』のモデルとなった「花の家」で、「富山県中新川郡上市町浅生18」に実在する古民家です。現在も映画と変わらぬ姿で公開され、ゆったりとした時の流れとノスタルジーに浸ることが出来そうです。
標高350m付近の山奥に位置し、ツキノワグマやその他の野生動物に遭遇することもあります。今秋の富山は、クマの餌となるブナやミズナラの作柄が悪く、冬眠を前にクマの出没が増加するとの予想があり注意が呼び掛けられています。訪問する際は、
▼おおかみこどもの花の家HP(外部リンク)
https://ookamikodomonohananoie.jp/も参考の上、万全の装備をお願いします。
●高岡ではなく「高岡の伏木」である所以 高岡市伏木気象資料館(旧伏木測候所庁舎)
全ての始まりは今を遡る事丁度140年前の明治15年(1882年)9月、伏木港の回船問屋、藤井能三の主唱に基づき、伏木の人々と協議が行われ、翌年明治16年(1883年)に日本国内初の私立測候所として、伏木燈明台の一室に設立されました。大正9年(1920年)には立山観測所を設立、富士山山頂での通年観測が始まる昭和7年(1932年)に先んじて、高層気象観測(山岳観測)を行いました。
中央気象台富山測候所(富山地方気象台の前身)が昭和12年(1937年)に設立されるまでの50年間、今の富山地方気象台の役割を果たし、二度の移転、県営・国営への移管を経て平成10年(1998年)に無人化され、現在に至るまで現役で観測を続けています。
写真の建物は明治42年(1909年)に建築され、当時としては、洋風の木造建築物としてハイカラなものでした。その後、数回にわたり整備復元され現在に至っています。
高岡市の伏木には奈良時代に越中国の国府が置かれていました。大伴家持が天平18年(746年)29歳で国守として赴任したのが、現在の高岡市伏木気象資料館に程近い浄土真宗の古刹、雲龍山・勝興寺が建つ所です。万葉集に残されている優れた和歌の中で、大伴家持が天平勝宝3年(751年)34歳で帰京する年の正月に宴席で詠んだ雪の歌の巻十九4229の注記には、「積雪4尺」≒120センチの記載があり、雪国出身ではない家持が「正月(新暦2月初旬)の大雪は吉兆の前触れ」とし「積雪を楽しむ心の余裕」すら感じさせられます。2021年1月に35年ぶりに積雪100センチを超え、最深積雪128センチを記録した富山の大雪の状況を彷彿とさせます。
●台風12号は週明けにかけて東シナ海を発達しながら北上 北陸は台風から離れていても南東風フェーンによる高温や乾燥となる可能性に留意
台風12号の北上に伴い、このあと北陸地方は台風からから離れていても南東風の山越え気流によるフェーン現象となり、高温や乾燥に注意が必要な状況になる可能性があります。今後の進路には十分注意して下さい。また、日本の南の海上は引き続き熱帯低気圧や台風が発生しやすい状況が続くでしょう。比較的日本列島に近い所で発生し、直ぐに本州付近に影響を与えるようなこともありそうです。引き続き台風への備えを怠らないようにして下さい。