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非常に強い台風10号は、きょう5日午後には猛烈な勢力に発達し、次第に向きを北寄りに変えて、6日未明に大東島地方、夕方に奄美地方にかなり接近する見込みです。そして、6日夜から7日にかけては特別警報級の勢力を維持して九州にかなり接近、上陸の恐れがあります。暴風域が非常に広く、九州に接近する時点でも速度をあまり上げないため、猛烈な暴風に長時間さらされ甚大な被害が出る恐れがあります。命を守るため、台風の接近前に行動を起こし、身の安全を確保してください。
●台風10号 大東島から奄美、そして九州へ
台風10号が非常に強い勢力で大東島地方の南の海上を西北西に進んでいます。台風の中心付近の目は鮮明で、目を取り巻く雲は非常に発達しており、雲画像を見ただけでも勢力の強さをうかがい知ることができます。台風10号は、きょう午後には猛烈な勢力に発達。次第に向きを北よりに変え、あす6日にかけて大東島地方、さらに奄美地方にかなり接近するでしょう。そして、あす6日夜から7日昼前にかけては、特別警報級の勢力で九州にかなり接近し、上陸の恐れがあります。
●6日夜から7日 一部住家が倒壊するほどの猛烈な暴風 猛烈な高波
台風10号は、7日明け方から昼ごろにかけて九州の西岸沿いに北上する見込みです。一般に台風は中心の東側の方が強い風が吹いているため、九州にとっては最悪の進路と言えます。しかも、台風10号の暴風域は半径約300キロと九州を覆ってしまうほどの広さです。上陸してもしなくても、大荒れの天気となります。九州南部は6日夜から、九州北部も7日には、一部の住家が倒壊したり、鉄骨でできた構造物が変形するほどの猛烈な暴風が吹く恐れがあります。沿岸海上は10メートルを超える猛烈なしけとなるでしょう。
●大規模な高潮に最大級警戒
特別警報級の勢力で接近する台風10号の低い気圧と南寄りの暴風により、鹿児島湾や八代海、有明海、周防灘などで急激に潮位が高まり、記録的な高潮が発生する恐れがあります。この時期は年間で最も潮位が高い時季にあたることもあり、厳重な警戒が必要です。暴風が吹き荒れる中、避難することはできません。浸水の恐れがある地域にお住いの方は、事前に安全な場所へ避難するようにしてください。
●総雨量1000ミリ近くになる所も
対馬海峡に停滞する秋雨前線と台風10号から吹き込む湿った南東風の影響で、九州はきょう5日から激しい雨が降りだすでしょう。あす6日にかけて最も雨が降りやすいのは、対馬海峡から東シナ海側沿岸の地域、そして太平洋側の地域。さらにあさって7日は、台風10号本体の非常に発達した雨雲がかかってくるため、九州の総雨量は多い所で1000ミリ近くに達し、大雨も記録的になる恐れがあります。土砂災害の危険がある地域にお住いの方は、早めの避難が肝心です。
●避難は6日午前中までに
記録的な暴風に高波、高潮、そして大雨。これまでに経験したことのないような災害が迫っています。特に浸水や洪水、土砂災害、高潮の危険がある地域にお住いの方は、遅くとも6日午前中までに身の安全を確保できる場所へ移動してください。暴風が吹き荒れる中での外出は大変危険で、命に関わります。室内では窓からできるだけ離れた場所で過ごすようにして下さい。停電や断水も長時間にわたる恐れがあるため、電源の確保、懐中電灯やカセットコンロの準備、生活用水をしっかりためておくなど、台風の接近前にできるだけの備えを進めておきましょう。