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九州の各地でおととい2日(日)午後から煙霧(えんむ)が観測され、空や遠くの景色が白っぽくかすんだ状態が続いています。また、PM2.5の濃度がやや高い状態も継続しています。真夏にこのような状態が続くのは珍しいことです。この煙霧の原因をさぐると、はるか遠く小笠原諸島・西之島の活発な噴火活動が影響している可能性がでてきました。
●九州各地で真夏の煙霧が継続
九州では、おととい2日(日)の午後から各地で煙霧が観測されています。煙霧とは、小さなちりなどが大気中に浮遊することにより、空や遠くの景色が白っぽくかすむ現象をいいます。煙霧のため、九州では視程(水平方向に見通せる距離)が7km前後まで落ちているところが多くなっています。夏のこの時季、晴れていれば視程は20~30km程度あることが多く、それに比べるとずいぶん見通しが悪くなっています。また、これと同時にPM2.5の濃度もやや高い状態が続いています。
九州では冬から春にかけて、大陸から黄砂や人間活動によるものとみられる粒子が飛来することにより、見通しが悪くなったりPM2.5濃度が上昇することがあります。しかし、夏は南風が吹くことが多く、主に海上からの空気が流れ込んでくるため、煙霧などの現象が今回のように継続することはあまりありません。
●煙霧の原因は西之島?
この珍しい真夏の煙霧の原因をさぐると、意外にも九州からから遠く離れた小笠原諸島・西之島の噴火が影響している可能性がでてきました。
こちらは、8月2日午前9時に気象衛星ひまわりから観測したトゥルーカラー再現画像(宇宙から人間の目で見たように再現した画像)です。これを見ると、活発な噴火活動を続ける西之島から噴煙が南に流れている様子がはっきりと写っています。そして、その南側には白から灰色がかった帯(赤の点線で囲った部分)があり、九州周辺へと延びていることがわかります。これが西之島の火山灰の一部であると考えられます。この帯は、太平洋高気圧の周辺部をまわる風の方向とも一致しており、この風に乗って九州へと火山灰の一部が飛来している可能性があります。
気圧配置にほとんど変化がなく、西之島周辺から九州周辺へという風の流れが継続しているため、九州では煙霧が長く続いているとみられます。
画像出典:気象庁ホームページ「ひまわり黄砂監視画像」(https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosa/himawari/himawari-TRM.html)に加筆して作成
●呼吸器系疾患のある方などは注意を
九州ではPM2.5の濃度がやや高い状態も2日(日)から広い範囲で継続しています。
健康などへの影響は小さいと考えられますが、呼吸器系疾患のある方などは、マスクを着用したり、目を洗ったり、うがいをするなどお気をつけください。