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2016年4月14日と16日に熊本県熊本地方で発生した地震から4年が経ちます。
大きな被害を受けた熊本城は復旧作業が進められ、寸断された国道や橋なども復旧の目処が立ってきました。ただ、地震はいつどこで発生するか分かりません。いつもの生活の中で、私たちにできることは何か、改めて考えてみませんか。
●地震が発生した時、身を守るためには
地震が発生したら、とっさに動けなくなって、冷静な判断ができなくなるかもしれません。何よりも、自分自身や家族の命を守ることを最優先に考えて下さい。
屋内でも屋外でも、頭を保護して「物が落ちてこない・物が倒れてこない・物が移動しない」場所に移動し、揺れが収まるのを待つことが大切です。揺れが収まったら、出口を確保し、火元を確認して、さらに安全な場所に移動するようにしましょう。
◆屋内では
・丈夫な机などの下に入る
・姿勢を低くしてクッションなどで頭を保護する
・揺れが収まってから、火元を確認して火の始末をする
◆屋外では
・かばんなどで頭を保護し、外壁や看板から離れる
・スーパーなどでは陳列棚から離れ、買い物カゴで頭を保護守る
●避難する時に気を付けることは
自宅の安全が確認できれば在宅避難が望ましいですが、避難所などに避難しなければならない場合は2次災害を防ぐことが重要です。地震の後に火災が発生することがないよう、避難する際は出火の原因を作らないことが大切です。
◆2次災害を防ぐために
・ブレーカーを落とす
(通電再開後の漏電などによる火災発生を防ぐ)
・ガスの元栓を閉める
(ガスが復旧した時に、ガス管やガス器具の破損によるガス漏れでの
ガス爆発を防ぐ)
避難する際は、怪我をしないように安全に避難しましょう。明るい時間に避難できない時は、懐中電灯で目視確認をし、棒などで足元が安全かどうか確かめながら避難して下さい。
◆怪我のリスクを下げる
・ヘルメットや帽子をかぶる
・長袖、長ズボンで肌の露出を少なくする
・軍手(革手袋でも良い)
・非常用品はリュックで(両手を空ける)
・底が厚いスニーカー(履きなれたもの)
●避難所で感染症を予防するには
現在、新型コロナウィルスの感染拡大が続いています。このような状況で地震などの災害が発生し、避難しなければならなくなったらどうすればよいのでしょうか。
避難所でも手洗いやうがいは感染症対策の基本です。指や爪の間、指先なども丁寧に洗いましょう。
避難所は「密閉・密集・密接」になりやすい場所です。この状況を避けるために、複数の窓や通路をあけて空気の通り道を作ってこまめに換気をしましょう。また、段ボールやプラスチックの板、カーテンなどで仕切りを作り、できるだけ人との距離をおくことが大切です。マスクや手袋がない時は、タオルやハンカチで口を覆い、ポリ袋などで手を保護しましょう。
●今すぐにできる、日頃からの備えとは
東京消防庁によると、近年発生した地震による負傷者の約30~50%が家具類の転倒や落下、移動が原因とされています。家や職場などで、地震の揺れで倒れやすいものはないか、落ちてくるものがないかなど、危険な場所を探してみましょう。
特に、寝ている時は、とっさに落下物をよけたり、逃げたりすることができませんので、日頃から備えておくことが大切です。
◆家の中の危険を知る
・家具の転倒や落下、移動を防止する対策を考える
(家具を天井や壁に固定、ストッパーや粘着シートを敷くなど)
・窓ガラスには飛散防止フィルムを貼る
(カーテンを閉めることで割れたガラスの飛散を防止できる)
・頭の上に落ちてくるものを取り付けない
(ベッド付近に壁掛け時計や額縁などを取り付けない)
・避難経路を確保する
(家具類は部屋の出入り口がふさがらないように配置)
また、災害時に自分や家族に必要なものをリュックにまとめておきましょう。準備するだけでなく、いざという時に役立つよう、定期的な点検も忘れないようにして下さい。
非常食は、作り方や味を知るために日常の食事に取り入れてみましょう。意外と時間がかかる、色々なレシピに活用できるなど、気がつくことが多いかもしれません。賞味期限切れを防ぎ、災害時に安心して食べることができるという利点もありますね。
災害への備えは特別なことではなく、「日常生活の中で、ここで地震が発生したら何が危険かを想像して、その危険を防ぐために備える」ことです。避難する際も、指定避難所のほかに一時的に避難できる場所がないか確認しておくことが大切です。家族の皆さんで、できることから少しずつ実践してみて下さい。
(参考資料)
東京防災
内閣府防災情報のページ「減災のてびき(減災啓発ツール)」
東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブックー室内の地震対策―」
内閣府「避難所における新型コロナウィルス感染症への対応について」