9日(土)午前3時、グアムなどがあるマリアナ諸島付近で台風の卵が発生、今後、台風になる可能性があります。マリアナ諸島生まれの台風は発達しやすいので今後の動きに注意が必要です。


●マリアナ生まれは要注意


9日(土)午前3時、マリアナ諸島付近で台風の卵が発生しました。今後は西よりに進みながら、あす(10日)朝には台風に発達する予想です。マリアナ諸島というのはグアムやサイパンなどの島々があるエリアです。このあたりは一年を通して海水温が高く、台風が発達することが多いため注意が必要です。過去にも、日本に大きな被害を与えた伊勢湾台風もマリアナ諸島の東海上で発生しました。平成に入ってからも、死者・行方不明者が40人以上の大きな被害をあたえた平成25年の台風26号(東京都大島町で大規模な土石流発生)や、平成16年の台風23号(高知県に上陸、四国地方と大分県で500ミリ以上の大雨)もマリアナ諸島付近で生まれた台風です。記憶に新しいところでは、今月はじめに父島に50年に一度の大雨をもたらした台風15号もマリアナ諸島付近で発生しています。


●秋台風はコースも要注意


9月の台風はコースも要注意です。南海上から放物線を描くように日本付近を通ることが多くなります。この台風の卵は来週の中頃にかけて西よりに進みそうですが、まだ予想にはバラつきがあります。来週は再び日本付近に秋雨前線が停滞しやすくなるため、前線+台風は大雨のパターンですので、今後の動きに注意が必要です。


●ハリケーン「イルマ」と同じ緯度


現在、アメリカ周辺には3つのハリケーンがあり、その中でカリブ海付近で猛威をふるっているのが大型のハリケーン「イルマ」。一時は、「カテゴリー5」と、一番強いランクまで発達しました(9日午前6時現在はカテゴリー4)。「カテゴリー5」は2016年の「Matthew」以来で、その前は2007年までありません。2005年は大きな被害をもたらした「カトリーナ」を含めて4個発生していて、1925年以降では 数年に1個の割合です。ハリケーン「イルマ」は、今後も勢力を維持したまま、フロリダ半島付近へ進み、上陸する恐れもあるため注意が必要です。このハリケーン「イルマ」と同じ緯度に発生したのが、9日午前3時にマリアナ諸島付近で発生した台風の卵。この緯度10度前後のエリアは海水温が高く、台風やハリケーンが発生しやすいエリアです。今後も動向に注意が必要です。

情報提供元: tenki.jp日直予報士