4月30日(日)の明け方、金星が最大光度に。三日月のように欠けている金星を観察することができます。30日は安定した晴天に。多くの所で天体ショーが楽しめそうです。


●金星最大光度


GW初日の29日(土)は、本州の広い範囲で大気の状態が不安定。急な雨や雷雨に注意が必要ですが、30日(日)は大気の状態は安定してきます。そこで、楽しみたいのが天体ショー!30日の明け方、金星が最大光度を迎えます。3月23日に内合(注:1)となった金星が、明け方の東の空に回って明けの明星として姿を見せています。内合後は高度をどんどん上げ、4月30日に明るさは1等星のおよそ170倍明るい、マイナス4.5等に達します。望遠鏡の低倍率でも、三日月のように細く欠けているのが観察できます。また、日の出後も消えることなく、青空の中に見え続けるため注目です!

(注:1)「内合」「外合」とは・・・金星も月と同様、地球や太陽との位置関係によって満ち欠けをします。金星は、地球より内側を公転する惑星です。地球から見て金星が太陽の手前に位置する「内合」の頃は新月のように見えなくなります。一方、太陽を挟んで反対側にある「外合」のころは、地球と金星の距離が離れているため金星は小さく見えます。また、金星は太陽の光が当たっている面を地球に向けているため、満月のように丸く輝きます(実際には、太陽が金星と同じ方向にあり、金星は観察できません)。金星が公転に伴い地球に近づくと、金星はしだいに大きく見えるようになります。また、影の部分(金星の夜の部分)が地球を向くようになるため、金星が月のように欠けていくようすを観察できます。金星が太陽からもっとも離れて見える「最大離角」のころは半月のような形に、もっとも明るく見える「最大光度」のころは三日月のような形に見えます。


●広く天体観測日和(30日)


30日(日)、全国的に晴れるでしょう。北海道は気圧の谷の影響で午後は次第に雨となりますが、30日の明け方は観測のチャンスです!東北から九州、沖縄にかけては、明けの明星はもちろん、30日の日中は青空の中でも三日月の金星が楽しめますよ。


●謎に満ちた隣の惑星


金星は地球に最も近い惑星で、大きさもほぼ同じ。しかし環境は極めて異なり、二酸化炭素が主成分の大気は地上気圧が約90気圧、その猛烈は温室効果により表面温度は約460度の高温。太陽系の惑星では唯一、公転方向とは逆に自転していて、金星では太陽は西から昇り東へ沈みます。謎に満ちた金星、明けの明星を楽しんでみてはいかがですか?

情報提供元: tenki.jp日直予報士