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●咲きたくてうずうず 濃いピンクのつぼみに期待
高遠城址公園の桜(タカトオコヒガンザクラ)は、今週の月曜日(10日)に開花しました。きょう(12日)、日本気象協会が発表した桜の開花予想(第8回)によると、高遠城址公園の桜は今週末の15日(土)に満開になる見通しです。
日本さくら名所100選にも指定されている「天下第一の桜」をひと目見に・・・先日の開花の知らせを聞いた私は、きょう現地まで足を運んできました!
高遠城址公園は約5.4ha(東京ドームより広い!)と、とても広く、真っ先に開花を告げたのは、日がよく当たる公園の南口の桜だったようです。きのう(11日)がとても寒かったのであまり咲き進まず、きょう現在は一分咲きといったところでした。
それでもなぜか園内はとても華やかです。
その理由は、タカトオコヒガンザクラの「つぼみのピンクの濃さ」でした。
ソメイヨシノなどの桜は、咲く直前のつぼみは緑がかっていて、薄いピンクが覗いている程度ですが、タカトオコヒガンザクラはつぼみが濃いピンク色で、咲き揃っていなくても枝が華やかなのが印象的でした。
「咲くぞ咲くぞ!」という声が聞こえて来そうな元気な濃いピンク色に、満開への期待が一層ふくらみます。
今週末にかけて、高遠周辺では日中15℃を超えて、この時季らしい暖かさになるため、桜は満開へと一気に進むでしょう。
●今は一分咲きですが、満開をむかえると・・・
きょう撮影の写真では、高遠の桜の素晴らしさを1割くらいしかお伝えできていないのですが・・・満開をむかえるとこんな感じになります。(写真参照)
今週末から来週はじめにかけて、このようなタカトオコヒガンザクラの見事な姿が楽しめます。
高遠閣の前や、桜のトンネルになる「桜雲橋」、残雪のアルプスを背景に写真が撮れるスポットが人気スポットだそうで、きょうもたくさんの方が訪れていました。
●タカトオコヒガンザクラを守る!桜守さんに取材
毎年、当たり前のように花開き、たくさんの方を楽しませる高遠の桜。このタカトオコヒガンザクラが毎年元気に花開くよう、陰から毎日支えている人がいます。
きょうは桜守(さくらもり)の西村一樹さんにお話しを伺ってきました。
代々受け継がれる方法で桜のメンテナンスを桜守の西村さんは、3人いる高遠の桜守さんの中では最年少だそうです。目をキラキラさせて、桜の話をたくさんしてくださいました。
「今年のタカトオコヒガンザクラは、例年同様の花芽の量で、咲き進むほど楽しめるはず」とのことですが、実は・・・毎年「花芽の量」を保つために、桜守さんには知られざる冬の戦いがありました。
1月から3月にかけて、高遠城址公園には野鳥が遊びに来るのですが、集まる鳥の中で「ウソ」という鳥は桜のつぼみが大好物のため、「ウソ」に食べられすぎないように、桜守さんが毎年つぼみを守っています。
「ウソ」がお腹いっぱいになるまで食べてしまうと、なんと一羽で300くらいのつぼみを食べてしまうそう。もちろん、野鳥を傷つけるようなことは出来ないので、音などで遠ざけるなど工夫をしています。
桜が散ったあとも、桜守さんのお仕事は続きます。
ひと仕事終えた桜の木に、お礼肥(おれいごい)といって、根っこに肥料をたくさん与え、来シーズンへの準備がはじまります。たくさんの方に観てもらう分、根っこ付近の土が踏み固められてしまうため、根っこが再び息がしやすくなるように、敢えて根元に草を生えさせて空気を通します。秋までは病虫害に細心の注意を払い、冬は枝を剪定して、除雪したり、野鳥からの被害を防いだりします。
つまり、桜守さんは一年中桜を見回ってメンテンナンスをしているのです。
天気予報を確認するのもお仕事のひとつ、冬の気温の下がり方や降雪量などをチェックして、桜のメンテナンスに役立ててくださっているとのことでした。
私たちが注目しがちなのは、桜が咲くこの時季ですが、一年を通して陰で支えてくれているからこその桜名所なのですね。
●今週末から来週にかけて 高遠周辺の天気
高遠のある伊那市では、明日(13日)と明後日(14日)は概ね晴れますが、土日は花曇りとなり、雨の降る時間もありそうです。ただ、気温は日に日に上がっていくでしょう。土日は、雨が降っても寒くはないので、日中は春物のコートで十分、早朝や夕方から夜にかけてお花見をする場合は、防寒具があると良さそうです。
桜守の西村さんは、「雨に濡れると、タカトオコヒガンザクラのピンクがより一層華やかになる」と教えてくださったので、雨の日のお花見も素敵だなぁと感じました。
ライトアップも行っていますので、朝から夜まで楽しめる名所となっています。
土日に満開をむかえたあと、来週も見ごろは続きますので、最新の天気予報をチェックしておでかけください。