鳥栖酒井宣福(21年8月撮影)

<明治安田J2:鳥栖2-2水戸>◇第27節◇23日◇駅スタ

サガン鳥栖が、FW酒井宣福(のりよし、32)の起死回生の今季初ゴールで、J1昇格戦線に生き残った。

1点を追う後半52分、追加時間は6分で事実上の最後のプレーだった。MF新井の左クロスをDF木本が頭で折り返し、ゴール前の酒井が左足で値千金の同点弾を押し込んだ。

昨季はJ2山口でプレーし、今季4年ぶりに古巣鳥栖に復帰。開幕後にけがが重なり、この日が7試合目の出場で今季初得点だった。

土壇場で泥くさいゴールを挙げ、J2通算162試合22得点としたベテランは「ホームでの戦いで負けることはありえない。勝つことしか考えていなかった」。後半途中からの出場で「勝ちにもっていくゴールができず悔しい」と、喜びはなかった。対戦相手の水戸はJ2で首位を走り、1年でJ1復帰を狙う鳥栖とすれば、アウェーで敗れたリベンジを含めて勝利がノルマだった。

一時はプレーオフ圏内の4位まで浮上した鳥栖も、これで9位に後退。ただ、水戸とは勝ち点9差で、自動昇格圏の2位以内は上位クラブには全てチャンスがある。大混戦のJ2で、この勝ち点1は大きな意味を持つ可能性がある。

「優勝はまだあきらめないし、最後まで優勝に向かって戦い続けたい」と酒井が言えば、小菊昭雄監督(50)も「攻守に多くの時間、私たちの試合ができた。あとは勝ちきるところ。我慢強く、全員でサポーターとともに積み上げていきたい」と言葉を振り絞った。

鳥栖は12勝7分け8敗の勝ち点43で、残り11試合に全てを懸ける。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【鳥栖】酒井宣福が最後のプレーで同点弾 執念ドロー「優勝あきらめない」J1昇格争い生き残る