広島戦に向けて取材に応じた東京V城福浩監督

東京ヴェルディの城福浩監督(64)が21日、次節のサンフレッチェ広島戦(23日、味スタ)に向け、持ち前の反骨心をあらわにした。

前節の京都サンガFC戦でチームの心臓となるMF森田晃樹がタックルを受け、左足首を負傷。FW寺沼星文も筋肉系の負傷で離脱しており、強豪広島との試合は難しい状況となっている。

「森田晃樹については、あれだけのファウルを受けているので、(広島戦へ)最善を尽くしていますけど間に合うかどうか。まあまあひどいので。我々はあのカードの色を含めて疑問に思っています」

そう言って厳しい表情を浮かべた。

現在の順位は14位。J1残留争いの渦中にいる。6月29日の川崎F戦以降、直近のリーグ5試合は2勝1分け2敗の五分。7月以降は取り組んできたビルドアップが安定。テンポのいいボール回しができるようになり、ボールを支配する時間が増えている。

ただ得点力不足は否めず、5月6日の横浜FC戦(2-0)以降、リーグ戦11試合連続して複数得点がない。常に1-0、0-0、0-1、1-2というスコアで推移している。総得点数16は横浜FCと並びリーグ最少だ。

厳しい戦いが予想される広島との対戦。昨季のJ1復帰からルヴァン杯含めた公式戦では広島に4連敗している。ただ今年のアウェーの対戦では後半32分にFW木村勇大(現名古屋)のPKで均衡を破り、押し切るかと思われた中で後半42分に追いつかれ、同44分に勝ち越し点を許している。

「ラストの10分、15分は攻められっぱなしになった。その火を付けられたというか、本気を出されてあえなくついえたみたいな。追い詰めたとも言えるけど、僕は力の差を感じた」 その“格上”を相手に、ヴェルディはどう対抗していくのか。城福監督はこう回答した。

「今回はもちろん広島のことはミニマムに意識させるけど、我々はキックオフからいかにフルパワーで臨んで、我々の課題である後から出る選手の力も含めて100%で力を出して、広島が最初は抑え気味で最後にハイトップのギアでやるみたいなね、ギアの変え方をさせない我々らしさが必要。それをいかに、今のメンバーの中でつないでいくか、というのはシェアのしどころかなと思います」

広島への苦手意識。選手のメンタル面を払拭するため、指導者としてどうアプローチしていくのか。

「成績から言って、そう思われてもしょうがないかなと思います。我々がそれを直前までのミーティングでどう克服するかというのは工夫はしなければいけないですけど、あくまでチームは生きもので、ここ1カ月半か2カ月の我々の戦いぶりは、どことやっても何をやれるかという手応えは確実に得ている。それが広島戦にもぶつけなきゃいけないし、ただ勝ち点ゼロでを終わっている試合があるところが、なにゆえなのか、というところ。交代選手を含めて改善しながら強い意識を持って臨むということであって、対広島ということよりも、生きものであるチームが今どういう立ち位置でいて、何を失っちゃいけなくて、何に自信を持てるのかというところは確認してあげたいなと思います」

下馬評を覆せる経験と知恵から「JFKマジック」と呼ばれる指揮官は目をぎらつかせた。

広島は神戸戦から中2日での試合。加えて主将のDF佐々木翔がレッドカードで欠場となる。それでも互いの戦力を机上で見比べたら、広島の優位は揺るがない。

“生きものであるチーム”をどう化学反応させ、広島と渡り合うのか。味スタでホームサポーターの声援はいやが上にも高まる。“反骨”ヴェルディの真価は発揮されるか-。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東京V】森田晃樹が負傷の中で4連敗中の難敵・広島戦 城福監督「やれる手応えは得ている」