町田対G大阪 試合に勝利し、ラインダンスを行い喜ぶ町田イレブン(撮影・山本朝陽)

<明治安田J1:町田3-1G大阪>◇第30節第1日◇20日◇町田Gスタ

FC町田ゼルビアがホームでG大阪を3-1と下し、クラブ新記録を更新する8連勝を飾った。前半17分にDF昌子源(32)が先制点を挙げ、同点とされた後半33分にMF林幸多郎(24)の得点で勝ち越し、同45分にはFW西村拓真(28)がPKでダメ押しのゴールを奪った。連続無失点勝利の記録は5試合でストップしたが、チーム一丸で戦い抜き暫定ながら首位に浮上した。

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「あ~っ」。会場からため息が漏れた。堅守町田の無失点記録が途絶えた。後半16分、右サイドから相手に持ち込まれ、最後はFWヒュメットに押し込まれた。途中でボールを奪い切れず一瞬の甘さを突かれた。

6月29日の新潟戦以来、5試合連続で無失点勝利を続けていた。この日のG大阪戦で6試合連続となれば、93年の清水、96年の横浜Fに次いで29年ぶり3チーム目の偉業だった。失点に強いアレルギーを持つ黒田監督のもと、着々と積み上げた大記録だったが、あと一歩のところでついえた。

しかしここからがチームの踏ん張りどころであり、真価の見せどころだった。後半33分、今度は一瞬のスキを逃さなかった。昌子のクロスボールをFWオ・セフンがヘディング。相手GKがいったんキャッチしたボールをこぼしたところ、すかさず林が詰めて押し込んだ。さらに後半45分、相手ファウルで得たPKを西村が決めた。終わってみれば連勝を8に伸ばした。

昌子が言う。「サッカーに100点って絶対にないんで、僕の感覚ですけど。それをあまり求めすぎると狂ったような感覚に陥る可能性もある。サッカーなんてミスしてなんぼ。それをカバーできているのが今の要因」。G大阪戦でも何度もピンチに立たされた。プレスがかからずシュートを打たれた場面では、GK谷がビッグセーブでしのいだ。逆に谷がこぼしたボールを岡村がすかさずクリアする場面もあった。エース相馬が累積警告で不在だった。それでも選手層が厚くなった上に11人全員がピッチで手を取り合い、助け合う精神は強まっている。だからこそ守り抜いた先に2つのゴールが生まれた。

暫定ながら首位に立った。黒田剛監督(55)が言う。「ここからが勝負。昨年の経験から簡単に首位は維持できないし、長期戦になる。油断したらすぐ7合目から転がり落ちる」。勢いは止まらない、燃え盛る町田の夏はまだまだ終わらない。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【町田】クラブ新記録8連勝で暫定首位!黒田監督「ここからが勝負。油断したら転がり落ちる」