練習後にナインらと笑顔で話す県岐阜商の横山(撮影・石井愛子)

「強打の三高」には「強打の県岐商」で対抗する。今大会公立校で唯一4強入りした県岐阜商が20日、準決勝の日大三(西東京)戦へ向けて兵庫県西宮市内で汗を流した。

生まれつき左手の指がない横山温大(はると)外野手(3年)は「バランスのとれたレベルの高いチーム。打ってくるチームなので、ミスなく、打ち勝つ野球をしていきたい」と必勝を誓った。

前日19日の準々決勝ではセンバツ王者の横浜(神奈川)に16安打を浴びせてタイブレークでサヨナラ勝ち。「すごくチームも勢いに乗って、いい状態できている。宿舎でもみんなめっちゃ盛り上がっていた」と前夜は余韻に浸った。ただ、すでに気持ちは戦闘モードで「今日も切り替えてきました」と準決勝を向いた。

この日は公開練習の半分にあたる約1時間を打撃練習にあてた。藤井潤作監督(53)はチーム状態について「ここまで来たら何も言うことはない。本当に頼もしく思いますので選手に任せたい」と太鼓判を押す。横山もハンディをものともせず全4試合で安打をマーク中。「感覚的にはいい状態ですけど、次はもっとチームに貢献できるようにいい場面で打てたら」とさらなる貢献を約束した。

創部100周年の伝統校が横浜を撃破して16年ぶりの4強入りしたことも相まって情報番組でも取り上げられるほど盛り上がりをみせる。横山も「チーム全体でまとまりがでてきた。強豪校を倒した勢いを生かして勝ちたい」と気合十分。勢いそのままに89年ぶりの夏頂点まで駆け上がる。【林亮佑】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【甲子園】公立唯一の4強、県岐阜商「打ち勝つ野球を」左手ハンディの横山温大が気合十分