世田谷西リトルシニアが2年ぶり4度目のジャイアンツカップ優勝 エース福田雄大が完封
<ジャイアンツカップ第19回全日本中学野球選手権大会>◇17日◇東京・東京ドーム◇決勝
世田谷西リトルシニア(東京)が2年ぶり4度目の優勝を果たした。エース福田雄大が完封で旭川大雪ボーイズ(北海道)を5-0で破った。新チーム結成以来、リトルシニアの全国大会を春夏連覇しており、年間3冠を達成した。
▽決勝
世田谷西リトルシニア 002 300 0=5
旭川大雪ボーイズ 000 000 0=0
世田谷西の左腕・福田の緩急がさえた。7回2死一塁で投球数は78。大会の球数制限は80球と、事実上最後の打者を迎えた。慌てず、走者ににらみをきかせながら、3球目で中飛に打ち取った。被安打3、1四球の完封劇だった。
東京ドームのスコアボードに計時される球速はほとんど120キロを超えない。カーブは100キロを切ることもある。それだけなら、軟投派のイメージだが、緩急の大きさで、打者のバットを差し込む投球ができる。
福田は「捕手の鐘ケ江くんを信頼しているので、きょうも、引っ張ってもらいました」と女房役を立てたが、構えたところに投げきるコントロールがあるから、リードも生きる。
打線は2回2死満塁から敵失で2点先制。4回に1死一、二塁から重盗が成功。吉田昌弘監督から「行けそうか?」の確認のサインを受けた二塁走者の増渕晴海が「OK」と応じて、スタート。一塁走者の鐘ケ江勇人も遅れず呼応して二塁に進んだ。
このプレーが大きかった。1番・川村亮惺、3番・元木瑛介の適時打が飛び出し3点を奪った。
好走塁の増渕はセカンドチームの選手で、今大会はトップチームに抜てきされ、打率4割2分9厘と活躍した。吉田監督は「いい選手で、レギュラー目前の時期もあったんです。大事な場面で、いいコミュニケーションをとってくれて、よく走ってくれました」とたたえた。
増渕は「悔しい時期もあったので、この大会にかけていた。走塁には自信があるます」と話すと、そっと目尻を押さえた。
北海道勢で初めて決勝に支出した旭川大雪は失策と6四死球が響いた。ただ、制球を乱しての四球ではなく、強打線を抑えるために、きわどいコースを狙った末の四球だった。
前日からの球数の関係で、リリーフ待機したエース樽井新太は5回表から登板して2安打無失点。「東京ドームは投げやすかったです。ここで世田谷西と対戦できたのはいい経験になります」と悔し涙をこぼしながら話した。