【甲子園】仙台育英守り勝つ!須江監督「1-0」かタイブレーク想定 8強かけ17日沖縄尚学戦
<全国高校野球選手権:仙台育英-沖縄尚学>◇17日◇3回戦
第107回全国高校野球選手権(甲子園)に出場中の仙台育英(宮城)は16日、大阪・豊中市内で練習を行った。連携プレーを念入りに行い、犠打やエンドランへの対応を確認した。2年ぶりの8強入りをかけて、17日の第1試合で沖縄尚学と対戦。好投手の末吉良丞投手(2年)を擁する相手に、須江航監督(42)は「1-0」または延長タイブレークでの勝負を想定する。勝利のカギを握る守備を中心に約1時間半、汗を流した。
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勝機は守備にあり。須江監督は沖縄尚学の投手陣を警戒する。とくに左腕エース末吉は、金足農(秋田)との初戦で14奪三振完封。大会屈指の好投手だ。「打てるという想定はしていません。打ち崩すというイメージで試合に入ると、守備や走塁で自滅をしてしまって、試合にならないと思うので。限りなく守り勝つという言葉が正確だと思います」。とにかく守りきる野球で勝負する。
2回戦の開星(島根)戦では、二塁手の有本豪琉と遊撃手の砂涼人(ともに1年)の華麗な併殺プレーがさく裂。まるで、かつて中日の鉄壁二遊間を築いた「アライバ」をほうふつとさせた。だが、その裏では2つの失策。加えて、記録に残らない細かいミスもあった。須江監督は「相手のチャンスをつんで、粘り強く守っていれば勝機が出てくると思います」と言った。逆に言えば、1つのミスが命取りとなる。
打線については「1、2番の選手が、お互いにどんな印象をつけられるかだと思います」とポイントを挙げた。1番の田山纏(まとい)外野手(2年)は、宮城大会から好調をキープする。同大会では2本塁打。甲子園でも2試合で9打数4安打2打点。うち3本が長打だ。野球を始めた頃から「押せ押せ野球」でプレーしてきたことで、迷いのない、思い切りの良さが光る。指揮官も期待を寄せる。
想定は「1-0」、またはタイブレーク勝負だ。「タイブレークになれば、どこが相手でもチャンスはあると思うので、なんとか持ち込みたいです」と青写真を描いた。中2日での3回戦へ、細かいところまでしっかりと準備した。あとは真っ向勝負だ。【木村有優】
▽高田庵冬(あんと)内野手(3年、2回戦でソロ本塁打)「ホームランを狙うと打てなくなってしまうので、(2回戦の)ホームランは忘れます。状態がいい時は逆方向に打てているので、そういう意識でやっていきたいです」
▽佐々木義恭(よしたか)主将(3年)「『1-0』とか『2-0』の勝負になると思います。タイブレークに持ち込めば、自分たちは攻撃のバリエーションがあるので、それくらいの気持ちで。守備と走塁をしっかりして、自分たちの理想の展開に持ち込めればと思います」