【甲子園】二刀流ついに本領発揮!8強山梨学院・菰田陽生「ようやく」3安打3打点&6回1安打無失点
<全国高校野球選手権:山梨学院14-0岡山学芸館>◇16日◇3回戦
“投打二刀流”の本領を発揮した。山梨学院の菰田陽生投手(2年)が投げては最速152キロに迫る直球を投げ、6回途中1安打無失点と好投。打っては高校通算25本塁打の打力を生かし3安打3打点と大暴れした。チームは先発全員安打の17安打14得点で、夏の甲子園では初の8強入り。史上7校目の夏連覇を狙う京都国際との準々決勝に進んだ。昨夏準優勝の関東第一は、準々決勝で日大三との東京対決に臨むことが決まった。
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194センチ、100キロの巨体を揺らしながら、ダイヤモンドを駆け抜けた。6点リードの5回2死二塁。菰田が、ぽっかりと空いた左中間を抜ける鋭い打球を飛ばした。50メートル走6・4秒の足を生かして三塁に到達。左腕を突き上げガッツポーズを作り「左中間、右中間に抜けたら、次の塁を狙う意識でいこうと試合前にも言われていたので。芯に捉えて打つことができていたので良かったと思います」と満足そうに振り返った。
初戦の聖光学院(福島)戦では6回までノーヒットノーランの快投を見せるも、打撃は3打数無安打。吉田洸二監督(56)に「マスコミの皆さんには二刀流と取り上げていただいていますが『二刀流(打撃練習)』と書いてもらえるとありがたい」と辛口エールを送られたが、この日は別人のようだった。2回の第1打席から快音を鳴らし、3安打猛打賞に3打点。「ようやくヒットが出ました」と、鬱憤(うっぷん)を払った。
ドジャース大谷翔平に憧れ、投打両面での活躍に重きを置いてきた。2年生ながら高校通算25本塁打の土台を作ったのが、父の英典さん。サーフィンやスノーボードなど横乗り系のスポーツに親しみバランス感覚を鍛え、千葉・御宿町の自宅では、バドミントンのシャトルをバットで打つ練習に付き添ってもらった。そうやって二人三脚で、ボールを芯に当てる技術を幼少期から養った。
2戦連続の先発マウンドでは気温30度超えの難条件も、自己最速まであと2キロに迫る150キロをマークするなど、6回途中1安打無失点。投打の活躍で、チームを初の夏8強に導いた。準々決勝の相手は、昨夏覇者の京都国際。暑さに弱く、吉田監督から「ホッキョクグマ」の愛称を授かった右腕は「暑い中で少しでもいいピッチングができたので、暑さに強い動物になれそうです」と不敵に笑った。【平山連】
◆菰田陽生(こもだ・はるき)2008年(平20)12月21日生まれ、千葉・御宿町出身。御宿小1年で野球を始め、九十九里リトルリーグでは全国V。御宿中時代は千葉西シニアでプレー。山梨学院では1年春の関東大会からベンチ入り。高校通算25本塁打。50メートル走6秒4、遠投100メートル。194センチ、100キロ。右投げ右打ち。
◆夏の山梨県勢最多得点 山梨学院が14得点。夏の山梨県勢では07年の甲府商14-1境に並ぶ最多得点となり、得点差14は最多。春は19年の山梨学院24-5札幌第一がある。