熊谷ラグビー場(21年2月撮影)

サッカー女子の国内最高峰SOMPO WEリーグで「史上初」が実現する。ちふれASエルフェン埼玉は今日16日、ホーム開幕戦でセレッソ大阪ヤンマーレディースを熊谷スポーツ文化公園ラグビー場に迎え撃つ。「エルフェン創設40周年記念×熊谷市誕生20周年記念マッチ」と銘打たれ、ラグビーの聖地では男女を通じて初となるサッカーの公式戦が行われる。

2025-26年シーズンの第2節で、ちふれ埼玉にとってはホーム初陣。女性アスリートの可能性を信じてチームづくりを進め、節目の40周年を迎えたクラブに、ふさわしい舞台が用意された。

東京・秩父宮では2019年4月、JリーグYBCルヴァン杯の東京-鳥栖戦が行われた。サッカーの公式試合が行われるのは1964年の東京オリンピック(五輪)以来55年ぶりだった。大阪・花園はJ3のFC大阪が本拠としており、年間を通じて試合が開催されている。

一方、実施に向けて調整してきた埼玉県議会議員の中川浩氏(無所属)によると、県営の熊谷ラグビー場で「サッカーの試合が行われること自体、初めて」。これまでの、ちふれ埼玉のホーム試合について「陸上競技場=ピッチと観客席との間に陸上トラックがあるという、観戦しやすくない状況でしたが」と説明した上で「今回はピッチと観客席まで5メートルほどしかありません」と強調した。

女子日本代表なでしこジャパンが2011年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で初優勝した時や、翌12年のロンドン五輪や15年のW杯カナダ大会で銀メダルに輝いた時など、瞬間的に注目度の風速が強まったことはある。しかし、定着には至らなかった経緯がある中、中川氏は「W杯や五輪の人気に頼るのではなく、新たな企画で、新たな観客をお招きして(熊谷市誕生20周年のため、熊谷市民は入場無料)女子サッカーを盛り上げたい」と、主催のクラブと連携して準備を進めてきた。

同会場は普段、ジャパンラグビーリーグワン1部の埼玉パナソニックワイルドナイツがホーム試合を戦っており、レギュラーシーズンでは1位2回に2位が2回と、圧倒的な強さを誇っている。ちふれ埼玉も、昨シーズンはWEリーグ4季目にして歴代最高の6位。さらなる上位進出へ、あやかれるか。日本で初めて開催された2019年ラグビーW杯の会場にもなった聖地で、午後6時にキックオフを迎える。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 サッカー史上初「熊谷ラグビー場」開催、女子WEちふれ埼玉40周年&市誕生20周年記念H開幕戦