【甲子園】開星・野々村直通監督が敗戦の弁「もう想定外!」「前みつ取ってあごに頭を」
<全国高校野球選手権:仙台育英6-2開星>◇14日◇2回戦◇甲子園
開星(島根)は善戦およばず、初の甲子園2勝に届かなかった。
初回に梶井湊斗(2年)から4番松崎琉惺外野手(2年)の中犠飛でいきなり1点を先制。ただその裏に失策が絡んで逆転され、じわじわと点差をつけられた。
14年ぶりに甲子園に戻ってきた野々村直通監督(73)は「(仙台育英に)相手にされないのかなという危惧があったんだけど、もう感謝ですね。(初回先制は)もう想定外! 点を取るなんておこがましいと思っていましたから。うれしかったですね。でも、もう1つ、前みつ取って、相手のあごに頭をつけるものがね。(吉川は)いい投手なんだけど。群羊(ぐんよう=束になってかかることの例え)になりきってなかったね。間違いなく相手は猛虎ですから」と、独特の語り口で振り返った。
現チームは「島根県で一番弱いチームだぞ」と言い合ってのスタートだったという。「ここに来ただけで感謝です。すごいエースや超高校級がいるわけじゃなく、みんなの力で、差別なく、区別なく。補欠の子も協力して。ベンチ外とレギュラーのつながりが今までで最高。それでもう満足。本当にいい高校野球のチームになったなと。高校野球は目標は甲子園だけど、人作りですから。僕は立派な日本人を作りたい」と目を細めた。
73歳になって久しぶりに見た甲子園の景色だった。
「よかったですよ。本当に感謝して野球ができた。今日は、時間的な短さは感じたけど、長く感じたんです。甲子園のベンチで生徒たちと野球をやる、楽しい時間が長く感じました。それは過去とは違いました。不思議ですよね。甲子園はすごい球場です。魔力があります」と2週間の滞在を振り返った。