【阪神】高橋遥人が完全復活の2勝目「ストレートとツーシーム」強い直球と制球力取り戻す
<広島0-2阪神>◇13日◇マツダスタジアム
阪神高橋遥人投手(29)が強い直球と精密な制球力を取り戻し、今季4度目の先発マウンドで完全復活を印象づけた。3ボールを与えたのは1人だけ。7回をわずか69球でまとめ、6奪三振4安打無四死球の無失点で今季2勝目を手に入れた。
「真っすぐがそれなりにちょっと良くなってきていたんで。それがあったから球数も少なかったのかなと思います」
5回終了時点で完全投球。最速151キロを計測した直球、140キロ前後のツーシームのコンビネーションで広島打線を翻弄(ほんろう)した。4回は中村奨にフルカウントまで粘られたが、1人も走者を許さなかった。この日はストレートが24球、ツーシームは28球。全69球の約75%を2種類で投げきった。
「ストレートありき、なんで。ツーシームも良くはなっているんですけど、(相手が)ストレートを嫌がってくれたんでツーシームが生きたなと思います」
6回先頭の佐々木に初安打を許した。2ストライクと追い込んでからツーシームを中前に運ばれた。2死二塁からは中村奨に左前打を許したが、高寺→小幡のカットプレーで本塁生還を阻止。「なんかこう、(パーフェクトは)気持ち悪いなって感じはあったんですけど。守備にも助けてもらって、ありがたいです」。大記録は逃したが、笑顔で仲間に感謝した。
マスクを被った坂本も「投げてる球は全部やっぱりすごい。相手もなかなか絞れないような球だし。相手がいろいろ考えてるうちに、バッテリー有利に勝負を進めていける」と大絶賛の投球内容。いよいよ完全復活の予感が漂う。
昨年11月に「左尺骨短縮術後に対する骨内異物(プレート)除去術」を受け、長いリハビリを終えた。今季は球団創設90周年。節目のV奪回を任せられる役者がまた1人増えた。【伊東大介】