東京V対名古屋 天皇杯4回戦で敗退となり厳しい表情の東京Vの選手たち(撮影・宮地輝)

<天皇杯:東京V1-2名古屋>◇13日◇4回戦◇味スタ

東京ヴェルディが名古屋グランパスに1-2と逆転負けした。22年度大会以来3年ぶりの8強入りを逃した。

4日に10番を背負うFW木村が名古屋へ完全移籍。それからわずか9日、エースが古巣相手に味スタで先発出場という因縁の一戦となった。先発メンバーは普段のリーグ戦で出場機会の少ない選手を中心に構成された。先発平均年齢は名古屋の29・8歳に対し、24・7歳と5歳差もあった。

若いメンバーだが、前半12分に先制した。MF新井が左サイドからドリブルで持ちこみ、角度のない位置から右足で先制点を奪った。

しかし同26分にクロスボールから木村にヘディングシュートを許し、GKマテウスがセーブしたこぼれ球をMF内田に押し込まれて同点とされた。

そして拮抗した展開の中、後半35分に松橋がペナルティーエリア内で相手選手を倒してしまい、PKを献上。これを稲垣に決められ、敗れた。

ふがいなさから城福浩監督は試合後、ベンチ前に選手を集めて叱責(しっせき)した。

会見でも「選手にサッカーの本質を伝えられていない自分の力のなさをあらためて感じます。(ボールを)失うのが怖いのか、前にボールを付ける、ペナの中にボールを入れる、その姿勢が強く見せられなかった。選手は私の鏡なので、パスを何本つないだから点を取れるわけじゃないので。特に(1点を追う)終盤にバックパスを多いチームにしたのは、自分の指導の問題」と言い切った。

あらためて試合後に選手を前に叱責した内容を問われると、「あの状況でバックパスを選択する選手、横パスを選択する選手を自分が育てたんだなと。自分からそういうふうに指導しているだなと。最後どういうふうに崩したいか、相手が引いたら、相手が1人少なくなった時にどういうふうに点を取りに行くのかっていうところは、本質がまず大事で、前を見る、前に運ぶ、前に付ける、人数をかけて入って行くと言う本質のところ。大事な大事な本質のところをまだ自分が選手に伝え切れていない。そう思わされた試合だったんで、それを(選手たちに)伝えました」と、悔しさをかみ殺すように話した。

複数得点が取れないチームのもどかしさは消えない。8日間で3連戦。中2日でアウェーの京都戦を控える。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【天皇杯】東京V城福監督「あの状況でバックパスする選手を自分が育てた」名古屋に逆転敗退