【ヤクルト】村上宗隆が2戦連発の4号サヨナラ2ラン「決めたいと思っていた。最高です」
<ヤクルト3-1DeNA>◇12日◇神宮
メジャー5球団、そして家族の前で最高の背中を示した。ヤクルト村上宗隆内野手(25)が2戦連発の4号サヨナラ2ランで勝負を決めた。9回無死一塁、DeNA中川虎の146キロ直球を捉えると、確信の仁王立ち。バックスクリーンに飛び込む打球を見届けた。「決めたいと思っていた。代走が出た時点で、この回に決着をつけるというチームの意志も感じた。最高です」と歓喜に浸った。一塁走者・内山に代走丸山和を送った高津監督の勝負手を勝利に直結させた。
今オフのメジャー挑戦を明言し、米国からの視線はますます熱くなる。メッツ、ジャイアンツ、カブス、ダイヤモンドバックス、カージナルスと5球団が視察に訪れた。過去に高津監督、青木GM特別補佐も所属したメッツのスカウト陣の中には、編成トップで球団社長のスターンズ氏の姿もあった。村上は「関係ないです」と意に介さない中、22年5月24日日本ハム戦以来3年ぶりのサヨナラ弾を決めた。
格別な1本は、熊本から駆けつけた家族の前での雄姿でもあった。お立ち台では「お父さん、お母さんが来ているので打てて良かった」とスタンドに手を振った。そして大雨で受けた故郷に思いをはせ「熊本で今、大変な思いをしている人たちがいると思う。僕の一打で少しでも元気をもらってくれたら」と続けた。
上半身コンディション不良から復帰14戦で5発。「もっと熱い試合を見せられるように」。ペナントは残り44試合だ。ファンからも、海の向こうからも、主砲に注がれる視線は熱くなっていく。【上田悠太】