阪神対ヤクルト ファンに手を振り引き揚げる阪神佐藤輝(撮影・前田充)

<阪神5-2ヤクルト>◇10日◇京セラドーム大阪

輝で優勝マジック20台! 阪神佐藤輝明内野手(26)が、先制打や追加点の31号ソロなど、今季2度目の4安打で6カード連続勝ち越しを導いた。三塁打が出れば初のサイクル安打だった最終打席は、惜しくも二塁打。特別仕様の黒虎ユニホーム3日目、3万6188人で埋まった京セラドーム大阪は4番のワンマンショーに酔いしれた。30だった優勝マジックは29に減り、2年ぶりの歓喜へいよいよ感が高まってきた。

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打球が上がった瞬間、歓声も上がった。佐藤輝が、ボールをかち上げるように振り抜いた。白球は虎党が埋め尽くす京セラドーム大阪の右中間へ飛んだ。ドーム内花火ならぬ、大きな31号ソロに沸き返った。

「しっかり狙い通り打てたので、いいバッティングができたと思います」

自身の適時打で1点を先制して迎えた3回2死走者なしの第2打席。ヤクルト奥川の初球、127キロの変化球を完璧に捉えた。「1打席1打席、集中して積み重ねて、最終的にはもっと多く打てれば」。8日に球団生え抜き40年ぶりの30号に到達した男の勢いは止まらない。

初回2死二塁の好機でも奥川相手に強振した。鋭い打球は一塁線を破る先制の適時二塁打に。「この1本がデカかった。先制点が本当に欲しかったので、よかった」と会心の笑顔だ。

5回の第3打席では中前打を放ち、坂本の適時打で3点目のホームイン。二塁打、本塁打、単打ときて、三塁打が出れば初のサイクル安打だった。6回の第4打席は二ゴロで、8回の最終打席は、右翼線にライナーで飛ばした。期待は高まったが、打球が速かったこともあって二塁止まり。快挙にはあと一歩届かなかったが今季4度目、約4カ月ぶりの4安打で連勝を導いた。

本塁打&打点の2冠に加え、勝利打点15も森下に並ぶトップに立った。堂々の4番の働きで才木の2年連続の10勝目をアシスト。今季の同学年右腕が勝った10試合中4度目のV打となった。才木はお立ち台で「好きです」。本人も序盤から援護したことに「大きかったですね」と笑顔を見せた。

チームは2連勝で6カード連続勝ち越し、貯金は最多タイの24。優勝マジックを29に減らし、いよいよ20台に突入した。歓喜の瞬間へ、背番号8が頼もしく引っ張る。【塚本光】

▼阪神佐藤輝が今季の規定打席(443)を満たした。新人の21年から5年連続。阪神で新人年から5年以上連続は吉田義男13年、藤井栄治8年、久慈照嘉6年、近本光司7年、中野拓夢5年に続き、2リーグ分立後6人目。中野と佐藤輝は20年ドラフトで阪神に入団。同一球団の同期入団2人が、新人年からそろって規定打席に到達という昨季作ったプロ野球記録を、5年連続に伸ばした。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】佐藤輝明ワンマンショー!M29導く「狙い通り」31号含む4安打に才木も惚れた「好きです」