アーティスティックスイミング(AS)ソロの井村雅代日本代表コーチは29日、東京都内で取材に応じ、ウクライナに軍事侵攻しているロシアの国際競技会復帰が検討されていることについて「選手には罪はない、という言葉では片付けられない」と述べた。 ウクライナは昨年6月の世界選手権でチームのテクニカルルーティンを棄権した。理由に関し、井村コーチは「国で命を懸けて戦っているのに、試合していていいのか。心の整理ができなかった」と同国選手らに聞いた。 世界選手権では、教え子の乾友紀子がソロ2種目を制覇。しかし、強豪として知られるロシアが不在だった。「乾選手のことを考えたら、正面切って勝負したいというのが競技の人として当然。そうあってほしい」という思いはあるが、「ロシア選手と競技することになるかと思ったら、やっぱり(そういう気持ちに)ならない」と述べた。 世界水連は、7月に福岡市で行われる世界選手権にロシアと同盟国ベラルーシの選手を参加させるか、態度を明らかにしていない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じるアーティスティックスイミングの井村雅代コーチ=29日、東京辰巳国際水泳場