大相撲で歴代最多となる45回の優勝を遂げ、一昨年9月の秋場所後に引退して宮城野部屋を継承した元横綱白鵬(37)=本名白鵬翔、モンゴル出身=の引退披露大相撲が28日、東京・両国国技館で行われた。断髪式を終え、「体の一部がなくなった寂しさがある」としみじみと振り返った。 歌舞伎役者、市川團十郎白猿さんの舞で幕を開けた。最後の横綱土俵入りでは、1月の初場所で優勝した大関貴景勝を太刀持ちに、関脇豊昇龍を露払いに従えた。 断髪式には約280人が参加。トヨタ自動車の豊田章男社長、プロ野球巨人の原辰徳監督のほか、横綱照ノ富士、元横綱稀勢の里の二所ノ関親方らがまげにはさみを入れた。 同じモンゴル出身で、切磋琢磨(せっさたくま)した元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジさんから頬にキスをされ、言葉を掛けられると大粒の涙も。師匠の間垣親方(元幕内竹葉山)に大いちょうを切り落とされ、「これで全てが終わった。いろいろな気持ちが込み上げてきた」と心境を語った。 今後は師匠として横綱、大関を育てることが夢。有望力士を多く指導する元白鵬は「相撲界に恩返しをしたい」と誓った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕断髪式で涙を流す元横綱白鵬の宮城野親方=28日、東京・両国国技館(代表撮影) 〔写真説明〕整髪を終え、スーツ姿で取材に応じる元横綱白鵬の宮城野親方=28日、東京・両国国技館(代表撮影) 〔写真説明〕断髪式で、間垣親方(奥)に大いちょうを切り落とされた元横綱白鵬の宮城野親方=28日、東京・両国国技館(代表撮影)