全日本卓球選手権のジュニア女子シングルスで、小学3年生の新星が気を吐いた。初出場の松島美空(京都)。中高生を連破して3回戦まで進出。目標としていた3勝には届かなかったものの、確かな将来性を感じさせた。 卓球一家で育ち、兄は昨年の全日本でベスト16に入った輝空(木下アカデミー)。父の卓司さんもコーチを務めるTリーグの京都でプレーし、貴重な経験を積んできた。 身長135センチほどの体格でも、軽快なフットワークを生かして1、2回戦を快勝した。「自分はみんなよりも小さいから、パワーじゃなくてコースで勝負する」。3回戦もシード選手からゲームを奪った。最後は力負けしたが「サーブが効いたり、バックの打ち合いで勝てたのがよかった」と手応えをつかんだ。 試合中に心が沈みそうになると、父が手の甲に書いてくれたメッセージに視線を向ける。「負けている時や、やばいなって時は手を見て我慢する」。会心のポイントを奪うと、その拳を突き上げて気合を入れた。 初めての大舞台で躍動した9歳。1998年には小学4年生の福原愛が準優勝したことも頭に入っており、次は上位進出を目指して戦う。「将来は全員に勝って、五輪で金メダルを取りたい」。小さな体に、夢は大きく膨らんでいる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕全日本卓球、ジュニア女子シングルスでプレーする9歳の松島美空=24日、東京体育館