大関貴景勝の優勝で幕を閉じた大相撲初場所。12日間で「満員御礼」の垂れ幕が下り、活気が戻った東京・両国国技館では、十両に復帰した元大関朝乃山を応援するしこ名入りのタオルが踊った。 新型コロナウイルス対策の観戦ルールが一部緩和され、マスク越しの声援が可能に。同対策のガイドラインに違反したことにより6場所の出場停止処分を受け、三段目から出直してきた実力者がひときわ大きな歓声を浴びた。 取組になると、朝乃山のしこ名が入ったタオルが次々と客席で揺れる。売店では、貴景勝の物とともに看板商品として並べられる様子も。責任者によると、関取復帰によって販売が再開され、場所前に約500枚を発注。売れ行きは好調だった。 朝乃山の出身地、富山市から観戦に訪れた坂西俊樹さん(26)は祖母の分と合わせて2枚購入。「関取が見てくれていればうれしい。めったに観戦に来られないので、家でもテレビの前で掲げて応援したい」と言う。新入幕の時に購入したタオルを手にしていた小林千秋さん(52)は「出場停止中はたんすの中にしまっていた。こうやって広げられる日が来てうれしい」と声を弾ませた。 十両優勝を果たした朝乃山は「応援してもらえるのは自分もうれしい。声援も力になる」と感謝を口にした。この先も、復帰を待ちわびていたファンの思いに応えていきたいところだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕朝乃山のしこ名が書かれたタオルを掲げる観客=22日、東京・両国国技館 〔写真説明〕朝乃山のしこ名が書かれたタオルを掲げる観客=22日、東京・両国国技館