ステージが上がっても信念を貫く。日本ハムのドラフト1位、矢沢宏太選手(日体大)はプロでも投打の二刀流に挑戦する。新人合同自主トレーニングの初日を終え、「やっと始まるなという実感が湧いてきた」とわくわくした様子だった。 身長173センチ。米大リーグでも投打で力を証明したエンゼルスの大谷翔平のような大柄ではないが、左腕から最速152キロの直球を投げ、非凡な打撃と俊足も魅力だ。ドラフト会議では、二刀流で育てる方針を示していた日本ハムが単独で交渉権を獲得。大谷の古巣に導かれるように入団した。 二刀流を続けるには、投打それぞれの練習量確保が課題の一つ。合同自主トレの第1クールでは野手のメニューで打撃練習を行い、その間に投手が行った体幹強化は昼食の時間を削って取り組んだ。ただ、自身にとっては普通のこと。「こういうスタイルでしか野球をやったことがない。特に何も感じない」と涼しい顔で言った。 新庄剛志監督は野手として高く評価しつつ、「両方の練習をさせ、いいものを伸ばしていこうと話し合いで決まった」と語る。球団には大谷という最高の前例もあるが、練習は矢沢なりの形をつくり上げていくという。 2月のキャンプでは初日から紅白戦が組まれ、監督は新人も起用するつもり。新球場での開幕戦出場を思い描く矢沢は「(投打で)そこへ向けて準備したい」。早くも闘志を燃やしている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕日本ハムの新人合同自主トレーニングで、打撃練習で汗を流すドラフト1位の矢沢=9日、千葉県鎌ケ谷市