リオデジャネイロ、東京と五輪2大会の体操女子で活躍した杉原愛子さん(23)が今春、武庫川女大短期大学部を卒業し、同大学体操部の強化コーチに就任する。当面は付属中、高の女子を中心に指導する予定で、「オリンピック選手を輩出したい」と言葉に力が入る。 リオ五輪で日本が48年ぶりの好成績を収めた団体総合4位に貢献。東京五輪では同5位に入り、昨年6月の全日本種目別選手権を最後に第一線から退いた。エキシビションへの出演や講習会での講師役を続けながら、本格的に指導者としての道を歩む。 技術面はもちろん、それ以上に力を入れようと意気込むのが、成長期の真っただ中にいる選手たちに向けた心と体のサポート。「強化していく上で自分自身、悩むことが多かった。女性には生理という問題があるし、体調維持も簡単ではない」と理由を説明する。 体形が成績に直結する体操競技では、無月経などのトラブルを避けるためにも、体重や骨密度などを含む的確な体調管理が求められる。中、高生にはこうした面でのアドバイスは欠かせず、実績のある同性からの指導なら理想的だ。 体形の変化や生理に伴う不調は、女性選手にとって解決しにくい問題の一つ。「自分だから伝えられる強みがあると思った。ジュニアの頃に伝えられれば、改善点も見つかる」と杉原さん。大舞台での経験を踏まえ、「世界と戦える女性アスリートを育成したい」と目を輝かせている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕体操部コーチに就任する元五輪選手の杉原愛子さん=2022年12月、兵庫県の武庫川女大