阿炎はもろ手で突いて若元春を起こすと、相手が前に出てきたところを体を開きながら突き落とし。物言いこそついたが、「取り直しか、勝ちか、どっちかだと思っていた。しっかり前に出たからこそできた」と納得の表情を浮かべた。 先場所で初賜杯を抱いた。周囲の期待の大きさも感じる中、「一番集中」を胸に刻み、動きが硬くなることはない。土俵下の粂川審判長(元小結琴稲妻)は「際どい相撲を拾っていくことで優勝できた。今場所も拾えるかが大切になる」とみた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕若元春(左)を攻める阿炎=9日、東京・両国国技館