【サンパウロ時事】サッカーが「国技」である王国ブラジルにとって、29日に死去したペレさんは貧困、人種の壁を乗り越えた絶対的ヒーロー。最後まで「王様」の回復を願ったサッカー界からは悲痛な声が漏れた。 ワールドカップ(W杯)カタール大会でペレさんの持つ代表歴代最多77得点に並んだネイマールは「これからも(代表を)鼓舞し続けてほしい。また得点するたびに喜びのガッツポーズをするよ」とのメッセージを受け取ったばかり。現代表のエースは「ペレが現れる前はサッカーはただのスポーツだった。彼は全てを変えた。彼はサッカーを芸術、エンターテインメントに昇華させた」と最大限の賛辞を贈った。 現役時代は「白いペレ」とも呼ばれ、日本代表監督も務めたジーコ氏(69)は「われらがペレはきょう、われわれを残して逝ってしまった。永遠の背番号10(ペレさん)は世界のサッカーにとって最大のアイドルの一人だ」と追悼。代表でチームメートだった元ブラジル代表監督ザガロ氏(91)はペレさんを「最高のパートナー」と呼んだ上で「きょう、世界は涙を流しながら停止し、最高の選手に別れを告げる」と悼んだ。 往年の名選手ロマリオ氏(56)は「何世代にもわたり、ペレ氏はアスリートにインスピレーションを与えてきた。全ての称賛に値する」と指摘。ロナウド氏(46)は「あなたの後に続けたことは(私にとっての)特権だった。全ての選手はあなたに学ぶべきだ」と故人をたたえた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕W杯カタール大会の韓国戦後、闘病中のペレさんを励ます横断幕を持つネイマール=5日、ドーハ(AFP時事) 〔写真説明〕ジーコ氏(サッカー元日本代表監督)