連覇を逃したとはいえ、収穫もあった。フランスは前線のベンゼマ、前回優勝に大きく貢献した中盤のポグバ、カンテがけがで欠場し、開幕後もL・エルナンデスが負傷離脱。暗雲が漂ったが、若手を積極的に起用し、2大会連続で決勝に進んだ。 中盤は22歳のチュアメニが先発に定着。圧倒的な運動量を誇り、相手選手との競り合いに強い。イングランドとの準々決勝ではW杯初ゴール。アルゼンチンとの120分の死闘も、フル出場で戦い抜いた。PK戦では失敗したものの、想像を絶する重圧を経験できたことは糧になる。 決勝はチュアメニと同じスペインの名門レアル・マドリードに所属する20歳のカマビンガも途中出場。交代で入った選手はほとんどが20代前半だった。追加招集ながら準決勝のモロッコ戦で得点を挙げたコロムアニら、負傷者の穴を埋めてきた若手が大一番でも通用することを示した。 20日に24歳の誕生日を迎えるエースのエムバペはW杯決勝で56年ぶりとなるハットトリックを達成。4年後は選手として全盛期だろう。「フランスには常に素晴らしいポテンシャルを持っている選手がいる」とデシャン監督。底知れぬ層の厚さで、しばらくは世界のトップに君臨しそうだ。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕PK戦の末、アルゼンチンに敗れたフランスの選手=18日、ルサイル(AFP時事)