1点を追う後半、モロッコの選手は次々に足を痛めてピッチに倒れ込んだ。1次リーグから7試合目。レグラギ監督は「疲労があり、ミスが出た」と認めた。 躍進を支えてきた全員の豊富な運動量は健在だったが、ゴール前の精度に影響した。後半はほとんどの時間を敵陣でプレーしながら、わずかにパスがずれる。微妙な判定を巡って審判に詰め寄る場面もあり、追い付けないまま時間は過ぎていった。 3位は逃したものの、大会前の下馬評を大きく覆してアフリカ勢初の準決勝進出を果たした。堅守速攻と個人の高い技術をうまく融合させ、ベルギーを破るなど1次リーグF組を首位通過。一発勝負の決勝トーナメントでは組織的な戦いぶりがより際立ち、スペイン、ポルトガルを破る快進撃を続けた。 指揮官は大会を振り返り、「あすの朝、成果に気付くだろう。素晴らしい相手にいい試合をした。われわれは十分に強い」。旋風を巻き起こした選手たちを改めて褒めた。 試合後、この日も大勢詰め掛けたサポーターたちから温かいねぎらいの拍手を送られた。中東初開催の大会を十分に盛り上げた伏兵。胸を張ってカタールを去る。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕3位決定戦で敗れ、引き揚げるモロッコのハキミ(中央左)ら=17日、ドーハ 〔写真説明〕前半、同点ゴールを決め、喜ぶモロッコのダリ(中央)=17日、ドーハ 〔写真説明〕前半、頭で競り合うモロッコのアティアトアラハ(左)とクロアチアのリバヤ=17日、ドーハ 〔写真説明〕後半、競り合うモロッコのアムラバト(左)とクロアチアのマイエル=17日、ドーハ