国内テニスでは異例の高額賞金大会「SBCドリームツアー」は11日まで2日間、東京・有明テニスの森公園で最終戦が行われた。優勝賞金1000万円を手にしたのは、男子の清水悠太(三菱電機)と女子の桑田寛子(島津製作所)。清水は「おいしいものを食べて、いったんは貯金に回す。今は危ない使い方をしてしまいそう。小出しにしていく」と笑った。 選手に夢と資金を与えようと新設された大会。日大監督も務める山田眞幹ツアーディレクターは「大学で強くなっても、プロで食べられないからテニスをやめて就職してしまう」と危機感を募らせる。第1、2戦を含む賞金総額は4380万円。「プロはお金が大事。ゴルフや野球、サッカーは短い選手生活で普通の人の何百倍も稼げるからハイリスク、ハイリターンで頑張る。テニスで夢のある世界をつくろうと思った」と語った。 ツアーを主戦場とする西岡良仁(ミキハウス)は最終戦から参加し、準優勝で賞金300万円を獲得した。「(優勝の)1000万円は大きい額。それを日本の選手だけで取り合える。これからの選手にとってすごくいい」。最終戦は12月で、「オフシーズンで緊張感のある試合はなかなかない。緊張感の中でプレーするのも一つの練習で、すごく助かる」と言う。 ゴルフのトップ選手のような華やかで恵まれた環境を目指している。ゴルフを参考にプロアマ戦や経営者らとの懇親会を開き、そこで何人かの選手はスポンサーが決まったという。山田氏が「テニス界が大騒ぎになった」という大会。次回開催の話も既に出ており、今後も選手に夢を見せられるか、楽しみだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕テニスのSBCドリームツアー最終戦で優勝し、写真撮影に応じる男子の清水悠太(左から3人目)と女子の桑田寛子(同4人目)ら=11日、東京・有明テニスの森公園