サーフィンの五十嵐カノア(木下グループ)が、9月に行われた世界選手権に相当するワールドゲームズ(WG)で初優勝した。会場はホームとする米カリフォルニア州ハンティントンビーチ。地元での優勝は格別だったが、それ以上に日本男子の団体1位を喜び、「サーフィンはオーストラリア、米国、ブラジルが強い。でも日本も強いというのを世界に見せたかった」と振り返った。 この大会は男女とも各国、地域で最大3人が出場。個人戦の成績に応じたポイントの合計で争う団体戦も行われた。日本チームは個人成績以上に、男女とも団体1位を目標に据えた。2024年パリ五輪の出場枠が与えられるからだ。 五十嵐は他の日本選手が競技する前、必ず海に来て波の状況を確認。ホームだからこそ分かることも多く、どう乗ればいいかなどを伝えていたという。「的確なアドバイスだった。チームで勝つというところを彼は徹底してくれた」とは日本連盟の宗像富次郎副理事長。五十嵐の1位だけでなく、村上舜が11位、上山キアヌ久里朱も25位と踏ん張り、日本男子は団体1位に。目標通り、パリ五輪出場1枠を獲得した。 昨年の東京五輪で銀メダルに輝いた五十嵐。多くのスタッフの支援が好結果につながったことを実感しており、WGでのチームプレーに表れた。 五十嵐にとって今年はWGの個人、団体での優勝に加え、世界最高峰のチャンピオンシップ・ツアー(CT)では年間総合5位と好成績を残したが、満足はしていない。今後は23年のCT年間総合1位と24年パリ五輪での金メダルを目指す。「トレーニングをしっかりして、目標に近づくように毎日、頑張っていく」。視線は次のシーズンへ向いている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ワールド・サーフ・リーグ(WSL)ファイナルでの五十嵐カノアのライディング=9月、米カリフォルニア州サンクレメンテ(AFP時事) 〔写真説明〕東京五輪後も成長を続けるサーフィン男子の五十嵐カノア=9月、米カリフォルニア州サンクレメンテ(AFP時事)