司令塔として随所に存在感を見せた。フランスのグリーズマンはトップ下で先発し、豊富な運動量で攻守に貢献。見せ場は後半33分だった。左サイドの敵陣深くから鋭いクロスを上げる。ジルーにピンポイントで合わせ、決勝点を演出した。 左サイドのエムバペが激しいマークに遭い、攻め手を欠いていた時間帯。ジルーは「完璧なボールをくれた。素晴らしいとしか言いようがない」と賛辞を惜しまない。 イングランドに押し込まれる苦しい展開の中、ワンプレーで試合を決めた。 前回ロシア大会は全7試合に出場し、4得点2アシストでチームの優勝に貢献。今大会は守備での献身ぶりが光っている。中盤深くでのプレーで効果を発揮。ボールを奪うのがうまく、危険な位置にきっちりと顔を出してピンチの芽を摘む。4年前とは異なる働きだ。 今大会はまだ無得点。チュニジアとの1次リーグ最終戦では自身のシュートがネットを揺らしたが、VARの介入でオフサイドと判定される不運もあった。それでもその1ゴールを補って余りある活躍。フランスのエースが、ひと味違う姿でチームを連覇に導こうとしている。 (アルホル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、競り合うフランスのグリーズマン(左)=10日、アルホル