過去4度のGPファイナルは3位と2位が2度ずつだった。宇野は「後悔のない練習ができた」と自信を持って今大会に臨み、今季世界最高得点を出したSPに続いて、フリーは自己ベストの204.47点をマークして圧勝した。「自分らしく演技ができた」と涼しげに振り返った。  11月のNHK杯では靴やエッジの調整に苦しんだが、今大会までに悩みを解消し、「思い通りに全てが動かせる」と言えるほどだった。ジャンプは好調を実感していた通りで、4回転は4種類5本のうち4本を成功させ、ループ、サルコー、フリップは出来栄え点(GOE)でいずれも3点以上の加点を引き出した。  昨季は北京五輪で2大会連続メダルとなる銅を獲得し、世界選手権を初制覇した。充実のシーズンを過ごしても達成感に浸ることなく、今季に備えてきた。合計で304点を超え、2位を30点以上も引き離してGPファイナルを制しても「まだまだできる」と言った。  17日に25歳を迎える王者の向上心は衰えない。国内外で新たな力の台頭が目立つ中で、今後も中心に立ち続けそうだ。 (トリノ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕男子フリーで演技する宇野昌磨=10日、イタリア・トリノ(AFP時事)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 向上心衰えぬ王者=宇野、圧勝で初制覇―フィギュアGPファイナル