【ドーハ時事】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は5日の決勝トーナメント1回戦でクロアチアに屈した。選手の立候補でキッカーを決定したPK戦。少しの沈黙の後、最初に手を挙げたのが南野(モナコ)だった。右を狙ったがGKにセーブされた。試合終了の瞬間、ピッチに崩れ落ちた。 背番号10を背負い、森保体制下での45試合出場、17得点は今回のW杯メンバー26人で最多。主力を担い、チームが苦しんだ最終予選では2月のサウジアラビア戦で貴重な先制ゴールを挙げた。 名門リバプール(イングランド)から出場機会を求めて今夏、モナコ(フランス)へ移籍。しかしなかなか調子は上がらず、今大会の出場3試合はいずれも途中からだった。それでも一番に名乗り出たのは、チームを勝たせたいとの一念からだったのだろう。その思いも実らず、「自分が生きてきた中で最悪な日だった」と振り返った。 そんな南野を、リバプールで2020年に約半年間チームメートだったクロアチアのDFロブレンが気遣った。7日の記者会見で「タキ(南野の愛称)、PKの失敗は気にするな」。 マッチアップした試合後、南野と言葉を交わす時間があったそうで「おめでとう、グッドラックと言ってくれたよ」とやりとりの一端を明かした。「彼はとてもいい選手で、人間性も素晴らしい。今までやってきた通り、やり続ければいいだけだ。彼が今後、もっと活躍するのを願っているよ」と温かいエールを送った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕練習を前に記者会見するクロアチアのロブレン=7日、ドーハ 〔写真説明〕決勝トーナメント1回戦、競り合う南野(右)とクロアチアのロブレン=5日、アルワクラ(AFP時事)