36年ぶりの決勝トーナメントに臨んだモロッコが、スペインをPK戦の末に下して初の8強入り。歴史に名を刻んだレグラギ監督は「世界最高のGKと忍耐強く戦い、PK戦に持ち込んで勝つことができた」とGKブヌをたたえた。 重圧のかかる場面でも、不気味なほどにリラックスしていた。「PKはちょっとした直感と運が必要だ」。1番手サラビアに圧力をかけてポストに当てるミスを誘う。集中力を研ぎ澄まし、2人目ソレルのキックを左に飛んで止めると、3人目ブスケツは右腕を伸ばして防いだ。後半以降の猛攻をしのぎ、最後は完璧な読みで強豪を沈めた守護神は「チームが勝ったことが一番。みんなが信じられない活躍をした」と誇らしげに語った。 前日にはクロアチアがPK戦の末、日本に勝利。GKリバコビッチがW杯最多記録に並ぶ3本セーブの大仕事をやってのけた。その流れをくむように、ブヌも神がかったセーブを連発。決勝トーナメントはGKが主役となる展開が続いている。 快進撃を続けるモロッコ。この勢いがあれば4強入りも夢ではない。ブヌは「自分たちの仕事に集中して、リカバリーに励みたい。この喜びを胸に、次の試合に臨む」とポルトガル戦をにらんだ。 (アルラヤン時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スペインとのPK戦でブスケツのシュートを止めるモロッコのGKブヌ=6日、アルラヤン(EPA時事) 〔写真説明〕スペインとのPK戦で好セーブを連発し、仲間に胴上げされるモロッコのGKブヌ(上)=6日、アルラヤン(EPA時事)