表情はすがすがしかった。日本代表として初めて4大会連続でW杯に出場した長友は「15年の代表人生において、全てを懸けた集大成だと思って戦った」。余すことなく力を出し切った。 クロアチアとの大一番は左ウイングバックに入り、さすがの対応力を見せた。押し込まれながらも、的確に寄せて相手を自由にさせない。36歳。スピード自体は落ちたが、経験値で補う。判断良く高い位置を取ってクロスを上げるなど、攻撃にも積極的に参加した。 後半19分に退いた後もベンチで声を張り上げ、仲間を激励。試合後には、PK戦のキッカー役に名乗り出た選手をたたえた。「勇敢に立ち向かったその姿は誇りに思う。彼らがこの経験を今後の日本のサッカーに確実につなげてくれる」 堂安や三笘ら若手が結果を出し、勢いをもたらした今回のチーム。ベテランが経験を惜しみなく伝え、雰囲気づくりに励んだのも大きい。コスタリカに敗戦後は責任を背負い込む発言もあった。 一心不乱にカタールを目指してきた。4年後については「今は考えられない。ゆっくり考えたい」。確実に言えるのは「自分のやってきたことに全く後悔はない」。挑戦に一区切りをつけた。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、クロアチアのモドリッチ(下)と競り合う長友=5日、アルワクラ