敗退が決まり、三笘はピッチにあおむけになった。あふれ出る涙が止まらない。PK戦では2番手のキッカーを務めたが、止められた。小学校時代からの幼なじみでもある田中に抱えられ、ようやく起き上がった。 後半19分から出場。左サイドで得意のドリブル突破を仕掛けたものの、2人がかりでマークされ、「流れを変えられなかった」。延長前半には自陣から運び、中央へ切れ込んで強烈なシュートを放つ場面もあったが、相手GKにはじかれた。 1次リーグ突破が懸かったスペイン戦では「1.88ミリ」ゴールラインにボールを残し、田中の決勝点を演出。日本の切り札として、世界にその名をとどろかせる働きを見せた。「チームを勝たせる存在にならなきゃいけない。ベスト8に行けるように、4年間もう一回やっていく」。味わった悔しさを、必ず力に変える。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕PKを止められた三笘(左)に駆け寄る田中=5日、アルワクラ 〔写真説明〕延長前半、シュートを放つ三笘(左から3人目)=5日、アルワクラ