奮闘も実らなかった。前田は「これが日本の実力。また一から出直さなきゃいけない」と、悔しげにつぶやいた。 持ち前のスピードを生かし、前線から相手GKやDFへ圧力をかけ、守備のスイッチ役となった。前半43分に短くつないだCKから、吉田が折り返したボールを流し込みW杯初ゴール。「目の前に来ただけだったので、押し込むだけだった」。貴重な先制点をもたらした。 得点後も献身的にピッチを駆け回り、追い付かれた後の後半19分に交代。勝利を願い、ベンチで見守ったが、祈りは届かなかった。 鋭い加速で森保ジャパンの前線になくてはならない存在に。1次リーグでは強豪のGK、DFにしつこく迫り、焦りを誘発。この日も何度もスプリントを繰り返し、持ち味を存分に発揮した。 大舞台で得点を挙げたが、8強入りはならず。次回のW杯こそ守備だけでなく、攻撃でもけん引する存在を目指す。「またこの舞台に立ちたい。先輩たちが背中で教えてくれたように、次は自分たちがそういう姿を見せられたらいい」。4年後、成長した姿を必ず披露する。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制を喜ぶ前田(中央)=5日、アルワクラ