堅守を武器にするスイスにとって、大きな不安要素のある一戦だった。GKゾマーとDFエルベディが、ともに体調不良のためベンチを外れた。守備の要を欠いた苦境で、前半にいきなり試練が訪れた。 幸先良く先制したものの、セルビアの高さを生かした攻めに手を焼いた。前半26分から10分足らずの間に2点を失う。ずるずると失速しかねない状況で、これまでの2試合で1得点と影が薄かった攻撃陣が奮起した。 相手はDFにも長身の選手をそろえるが、スピードを生かして対応した。細かくパスをつないで計3得点。試合前から攻撃面を課題に挙げていたヤキン監督は、「しっかり点を取ってくれてうれしい」と表情を緩めた。 これで3大会連続の決勝トーナメント進出だが、過去2大会はともに1回戦ではね返されてきた。欧州予選では強豪イタリアを抑えて首位通過したように、地力は十分ある。「あとは結果を楽しみにしてほしい」と指揮官。攻守がかみ合ってくれば8強も見えてくる。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、勝ち越しゴールを決めるスイスのフロイラー(左奥中央)=2日、ドーハ(ロイター時事)