ガーナをPKの悪夢が再び襲った。VARを経て獲得した前半21分のPK。A・アユーがゆっくりと助走して放ったシュートは、ぴたりとタイミングを合わせたGKロチェトにブロックされた。 それまでガーナが優位に試合を進めていたが、このPK失敗を境に流れは一変した。J・アユーが自陣でボールを失い、アマーティーがクリアを空振りするミスから前半26分に先制されると、立て直す間もなく同32分に追加点を奪われた。 ガーナにとってウルグアイは因縁の相手だった。2010年南アフリカ大会準々決勝で延長終了間際の決定機をスアレスの手に阻まれ、この反則で得たPKをエースのジャンが決め損ねた後、PK戦の末に涙をのんだ。この10年大会を唯一経験したA・アユーが、12年の時を経て、新たな悪夢の主役となってしまった。 「私は現役時代、PKが苦手だった。キッカーを務める選手には拍手を送らなければならない。アンドレはチームのために尽くしてくれた」。アッド監督はそう言って悲運の背番号10を気遣った。期待された雪辱は果たせなかったが、指揮官は「リベンジなど考えるべきではない。われわれはただ勝利を目指して戦っただけ。きょうは運がなかった」と潔かった。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、PKを止めるウルグアイのGKロチェト=2日、アルワクラ(ロイター時事)