新進気鋭のDFがクロアチアを16強に導いた。後半ロスタイム2分、味方DFがクリアを試みたこぼれ球がゴール前に転がる。その先にいたベルギーのルカクがシュート態勢に入った瞬間、矢のごとく現れたグバルディオルの左足がボールを蹴り出した。 クロアチアは引き分け以上が自力突破の条件だったが、ダリッチ監督は第2戦の直後から「勝ちに行く」と宣言。指揮官の言葉通り、選手たちは守りに入ることなく、攻め勝つ姿勢を貫いた。それでも後半は勝利が必要なベルギーに押し込まれる時間が増え、守備陣の奮闘でスコアレスドローに持ち込んだ。中でも要所でチームを救ったのが、グバルディオルの体を張った守備だった。 恵まれた身体能力に技術と賢さを兼ね備え、左サイドバックとセンターバックをこなす。20歳にして世界有数のDFと評価され、欧州各国のビッグクラブが獲得をもくろむ注目株だ。 試合後、ダリッチ監督から「彼は世界最高のDF。まるでベテランのようにプレーする」と評価されても「この年でこの大舞台に立てるだけで大きなこと。幸せだよ」と謙虚さを失わない。5日の決勝トーナメント1回戦で日本と対戦する際にも、ゴール前に立ちはだかる壁となるはずだ。 (アルラヤン時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ベルギーのルカク(左)と競り合うクロアチアのグバルディオル=1日、アルラヤン(AFP時事)