フィギュアスケート女子で右足首の負傷から今季復帰した紀平梨花(トヨタ自動車)が、順調にステップアップしている。11月下旬に行われたグランプリ(GP)シリーズ第6戦のフィンランド大会に出場し、合計192.43点で4位に入った。5位だった10月下旬の第2戦スケートカナダから得点も内容も上向き、「一歩ずつ上がってこられた」と実感を込めた。 フリーで3回転フリップを決められたことが収穫だった。踏み切る際に左足の内側エッジで滑り、右足の爪先を突くため、スケートカナダまでは右足首の負担も考慮して見送っていた。今回は練習から手応えがあり「いつも通り跳べばいいと思って集中した。跳べないかも、と思うジャンプを入れたくなかった」。自信を持って組み込み、フリーは他の要素でも大きなミスなく終えた。 右足首については「痛みが出ても、そこまで心配する必要がなくなってきた。それがすごくうれしい」と説明し、表情は明るい。ショートプログラムでは、今季初めて連続3回転を決め、2シーズン前に見せていた片手での側転も披露した。 12月下旬の全日本選手権では、フリップと同じく右足の爪先を突いて踏み切るルッツも構成に入れたい考えで、「必ずノーミスができるようにはしたい」と意気込む。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を駆使し、2018年GPファイナルではロシア勢を抑えて優勝した実力者。少しずつ、着実に本来の力を取り戻していく。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕グランプリ・シリーズ第6戦、フィンランド大会の女子フリーで演技する紀平梨花=26日、フィンランド・エスポー(EPA時事)