日本は最終戦に勝てば1次リーグ突破を自力で決められる。ただ、相手は強豪スペインと簡単ではない。「わくわくしている。最高のシチュエーションだと思っている。この状況を楽しみながら勝ち点3を取りたい」。目を輝かせて頼もしく言ったのは田中だった。 調整で出遅れた守田に代わる形で、初戦のドイツ戦に先発出場。前半は押し込まれる時間が続き、後半は自身が途中交代した後、劇的な逆転に成功した。「対等に戦えていたかというと、そうではない。うまいし、強いなと」。初出場のW杯で、優勝4度の強豪の強さを肌で感じ、刺激を受けた。 次は優勝1度のスペインに挑む。スペインといえば、昨夏の東京五輪準決勝で延長戦の末に0―1で敗戦。今大会代表には、決勝点を決められたアセンシオやペドリら因縁の相手が入り、主力として活躍している。 日本も今回のA代表に、久保ら9人の東京五輪代表(オーバーエージ枠とけがで不参加の中山を除く)が選出された。「悔しさをぶつけるには最高の舞台。真剣勝負の場で勝ち点3を取れれば、あの経験が良かったと言える。東京(五輪)世代は全員そうだと思う」。田中は仲間の思いを代弁した。決勝トーナメント進出とリベンジを懸けて、決戦に臨む。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕練習で汗を流す田中=28日、ドーハ